欧州連合(EU)

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日EU共同シンポジウム
「東アジアにおける資源競争とパワーバランス-日EUの展望」の概要

平成19年3月2日、於:ベルリン(ドイツ)

概要

 2007年3月2日、日本国外務省、ドイツ(EU議長国)外務省、欧州委員会の三者は、ベルリン日独センター及び富士通総研との協力により、ベルリン日独センターにおいて、日EU共同シンポジウム「東アジアにおける資源競争とパワーバランス-日EUの展望」を開催しました。

 この日EU共同シンポジウムは、2001年に策定された「日EU協力のための行動計画」に基づき、日EU間の交流を促進する方途について議論するため、2002年以来毎回テーマを変えて実施されています。

 5回目となる今回は、日EUの双方で現在、最重要課題の一つとなっているエネルギー安全保障の問題をテーマとし、特に東アジアに焦点をあてて議論を行いました。

 今回のシンポジウムでは、エネルギーや環境問題などを専門とする研究者や実務者など約60名の熱心な聴衆の参加を得て、3つのセッション毎に、専門家による講演と質疑応答が行われました。

 第1セッションにおいては、冒頭、富士通総研の武石氏が、アジア、とりわけ中国においてエネルギー消費と、それに伴い温暖化ガス排出が急増している状況に触れ、アジアにおけるエネルギー分野の地域協力について説明しました。欧州委員会のローハン氏は、EU、日本、中国のエネルギー政策、及びこれら三者間のエネルギー対話の現状を紹介し、日EUは共通の課題と責任を有していると訴えました。ドイツ学術政治研究所のゲッツ氏は、日本と欧州の共通の隣人であるロシアがエネルギー分野で果たす役割について解説しました。

  続く第2セッションでは、慶應義塾大学の神保氏が、アジアにおける安全保障環境と「自由と繁栄の弧」等をキーワードとする最近の日本外交について概説し、日本とEUが戦略的な関係を構築していく中、特にエネルギー安全保障問題が重要になるとの認識を示しました。世界エネルギー機構(IEA)のシシリア氏は、世界的なエネルギー需給の見通しやエネルギー緊急備蓄の重要性などについて語りました。また、欧州再生可能エネルギー評議会のシェーファー氏は、エネルギー問題の解決にあたり、再生可能なエネルギーへの転換を進めることが重要であると力説しました。

 第3セッションでは、富士通総研の金氏より中国の石油企業の動向についての報告があり、次いで同研究所のシュルツ氏が、アジアの民間・企業レベルにおける地域統合の急速な進展と、それがエネルギー問題に与える影響について解説しました。最後にロイヤル・ダッチ・シェル社のヴァン・デル・ロー氏が経済成長、エネルギー安全保障、環境問題といった3つの問題の相互の関連に触れ、これらを解決していくにはどうしたらよいか、民間実務者の視点から語りました。

  3セッション終了後の総括討論では、元駐日欧州委員会代表部大使のケック氏の司会の下、日EUがエネルギー分野で具体的にどのような協力をしていけるのか、議論しました。参加したパネリストからは、日EUとともにエネルギー問題で鍵を握る中国や米国との協力やエネルギー効率の改善、エネルギー・環境問題に対する意識向上の重要性が強調され、こうした問題について日EUが対話を深めていくことが重要との認識が示されました。また、アジアにおける地域統合推進が問題解決の糸口となり得ること、あるいは2008年のASEM首脳会合でエネルギー問題を取りあげてはどうかといった提案などがありました。

 各スピーカーのプレゼンテーション資料は、ベルリン日独センターのホームページ他のサイトヘより入手することができます。

プログラム

冒頭挨拶

フリデリケ・ボッセ ベルリン日独センター事務総長
ヴィクトア・エルプリング ドイツ外務省エネルギー問題担当大使
本田 悦朗 外務省欧州局審議官
根津 利三郎 富士通総研専務取締役

第1セッション「エネルギーと資源競争:EUと日本にとっての課題」

武石 礼司 富士通総研主席研究員
ゲアハルト・ローハン 欧州委員会日本課長
ローランド・ゲッツ ドイツ学術政治研究所(SWP)研究員
(司会:本田悦朗 外務省欧州局審議官)

第2セッション「地域政策と資源協力に向けた協力」

神保 謙 慶應義塾大学専任講師
マリア・シシリア 国際エネルギー機構(IEA)副事務局長顧問
オリバー・シェーファー 欧州再生可能エネルギー評議会(EREC)政治部長
(司会:セバスティアン・ベルジック 欧州アジア研究所(EIAS)主席研究員)

第3セッション「企業戦略と民間の利益が及ぼす影響」

金 堅敏 富士通総研研究員
マルティン・シュルツ 富士通総研上席エコノミスト
ハンス・ヴァン・デル・ロー ロイヤル・ダッチ・シェル社EU連絡事務所長
(司会:根津 利三郎 富士通総研専務取締役)

総括討論

ゲアハルト・ローハン 欧州委員会日本課長
神保 謙 慶應義塾大学専任講師
セバスティアン・ベルジック 欧州アジア研究所(EIAS)主席研究員
ハンス・ヴァン・デル・ロー ロイヤル・ダッチ・シェル社EU連絡事務所長
根津 利三郎 富士通総研専務取締役
(司会:イェルン・ケック 元駐日欧州委員会代表部大使