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第21回日中外交当局間協議
(協議の概要)


平成15年12月22日


 12月22日、田中外務審議官と王毅外交部副部長との間で、第21回日中外交当局間協議が行われたところ、概要以下のとおり。

1.総論

(1) 王毅副部長より、日中平和友好条約締結25周年に当たった本年の日中関係の評価について、色々と良いこともあったが、問題もあった1年であった旨総括の上、以下のとおり述べた。

(イ) 日中間の共通利益について、政治関係においても共通利益があり、また経済の角度から見れば日中間の経済関係はすばらしく発展しており、ここにも共通利益がある。
(ロ) また地域協力という視点から、もっとできることがある。安全保障の分野でも共通利益が拡大しており、非伝統的安全保障分野において、環境や航路などの分野での協力も考えられる。新しい段階での共通利益を総括することで、相互理解、相互信頼を強化して、疑念や誤解を減少させることが両国、そして地域の問題についてもプラスになる。

(2) これに対し、田中外務審議官より、中国とほぼ同様の今年一年の日中関係の評価について述べた上で、以下のとおり発言した。

(イ) 日中間では様々な問題が生じているが、両政府はその問題を解決するための能力をよく示した。セーフガード、不審船、チチハル市の遺棄化学兵器等の問題も、日中両国が問題を解決しようとすれば、解決できるということを示している。
(ロ) 共通利益の拡大という点については、日本側としても未来志向との考え方から支持するものであり、政治、経済、地域協力という側面に加えて、グローバルな面でも日中両国が協力できる。

(3) 両国間でのハイレベル交流が重要であるとの点で一致し、2004年の各レベルでの交流について、日中間で意見交換が行われた。首脳の相互訪問については、王副部長より、そのために相応しい雰囲気を作り出すために互いに努力していきたいとの立場が示された。

2.台湾問題

(1) 王副部長より、台湾問題が中国の主権と領土保全にとり如何に重大な問題であるかという原則的な立場から、中国側の関心事項につき言及があった。

(2) これに対して、田中外務審議官より、台湾に対する我が国政府の立場は日中共同声明にあるとおりであり、「二つの中国」或いは「一つの中国、一つの台湾」との立場はとらず、また、台湾独立も支持しない、また、我が国としては台湾を巡る問題が平和的に解決されること、そのための対話が早期に再開されることを希望しており、中国の武力行使には反対である旨表明した。

3.日中間のその他の分野

(1) 日中領事協定の早期の締結及び新日中友好21世紀委員会に対する評価に関し、日中間で相互に意見交換を行った。田中外務審議官より、日中領事協定については、日本としても迅速に進めていきたい旨述べた。

(2) 王副部長より、ODAについては、中国としてもここ数年、日本の円借款が中国の発展に如何に役立ったかについて大いに宣伝に努めている、日本のODAは中国の発展にとって今後も重要であり、継続してもらいたい旨の発言があった。これに対し、田中外務審議官より、対中ODAについては、国民の理解を得て進めていかなければならない、そのためにも中国が行う南南協力、国防政策、国内における資源配分について、より高い透明性が求められる旨述べた。

(3) 王副部長より、歴史問題と関連して、遺棄化学兵器の処理を加速してもらいたい旨の発言があり、田中外務審議官より、遺棄化学兵器については、日本側として従来より化学兵器禁止条約の義務を誠実に履行する考えである旨述べた。

(4) ミサイル防衛システムの導入が12月19日に決定されたことにつき、王副部長より、日本側からタイムリーな説明がほしいとの発言があり、田中外務審議官より、大使館よりも説明をする予定であるが、ミサイル防衛は最近の大量破壊兵器の拡散という状況の下、専守防衛という我が国の防衛政策にふさわしいものであるという判断から決定した旨応じた。

(5) また、田中外務審議官より、日中間の経済問題として、知的財産権の問題を指摘した。さらに、中国の海洋調査船の最近の違反事例を指摘しつつ、今後の違反事例が発生しないように求めるとともに、今週東京で開催される海洋法の問題に関する日中協議の場でしっかりと議論することが大切である旨指摘した。

4.国際情勢

(1) 朝鮮半島情勢については、比較的長時間にわたり日中間で議論が行われた。第二回六者会合に向けて準備を進めることにつき双方が確認した。

(2) ASEANとの協力につき、王副部長より、先般の日・ASEAN特別首脳会合の成功についての祝意が示され、ASEANに対しても日中が手を携えて協力することができれば望ましい旨述べた。

(3) イラクについては、田中外務審議官より、我が国の行おうとしているのは人道復興支援であり、イラクの復興を国際社会として失敗させるわけにはいかない、また、米国を孤立させるわけにはいかないという観点から行うものである旨説明した。


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