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アフガニスタンの現状と問題


 南アジアと中央アジアの狭間に位置する多民族国家アフガニスタンは、1979年末のソ連軍侵攻以来、今日に至るまで混乱状態の中にあります。現在も大量の難民(周辺国合計で約260万人)が発生している他、テロ、麻薬の問題など、周辺国や国際社会全体に影響を及ぼしかねない懸念事項が未解決のまま残されています。アフガニスタンの人々は国内では食糧不足、自然災害による被災に見舞われており、民生は著しく低いレベルにあります。このような困難に加えて、ソ連軍侵攻時代から現在に至るまで対人地雷が全国的に使用されており、復興のためには内戦の終結の努力とともに、これらの処理を進めなければなりません。

 80年代を通じてソ連軍に抵抗したムジャヒディーンは、88年にソ連軍の撤退合意を勝ち取り、92年にはカブールのナジブラ政権を打倒しました。しかしながら、その後はこのムジャヒディーン各派同士が覇権を巡って抗争を繰り返し、全土が内戦状態に巻き込まれるに至りました。かかる状況下では、流出した避難民及び国内避難民の帰還は進むどころか、時にはその発生に拍車がかかるような事態も発生しています。

 国内の混乱を横目に、94年末にはタリバーンが新たな勢力として台頭し、ムジャヒディーン各派に代わる主流派となりました。タリバーンは96年9月には首都カブールを制圧し、アフガニスタンにおける「イスラム原理主義」政権の樹立を目指しています。98年7月からの軍事攻勢によってタリバーンは、これまで難航していた北部の主要都市マザリ・シャリフ(8月)及び仏教遺跡で有名なバーミヤン(9月)を陥落させました。タリバーンは一連の戦勝で全土の95%を掌握したとして国際社会に政府承認を求めていますが、これをアフガニスタンの正統な政権として認めているのは、パキスタン、サウディ・アラビア、アラブ首長国連邦の3カ国に過ぎません。





●アフガニスタンについての国際社会の懸念事項
 国際社会には、アフガニスタン国内の人権状況、テロへの関与、麻薬栽培と密輸等についての懸念が存在します。
 人権問題に関しては、特に、女性に対する抑圧的政策(例えば、就労の禁止、教育の禁止)が問題視されています。
 テロに関しては、ソ連軍駐留時代に米CIAによって建設されたゲリラ訓練施設が現在も存在すると言われ、これがアフガニスタン国外におけるテロ事件に結びついている、との指摘があります。98年8月に米軍がアフガニスタン国内を攻撃した際の目標も、これらの施設であり、国際的テロリストとされているオサマ・ビン・ラーディン氏が運営していると言われています(同氏はアフガニスタン国内に滞在している様子です。)。
 また、アフガニスタン、パキスタン、イランを含む「黄金の三日月地帯」は、世界最大のケシ栽培地域となっており、欧州諸国で流通するヘロインの80%以上がアフガニスタン原産であると言われていることからも、この問題に対する真剣な対応が求められています。

●対人地雷
 国連地雷撤去データベース(96年4月10日現在)によれば、アフガニスタンに敷設されている対人地雷は1千万個に上ります。この数字は、エジプト(2300万)、イラン(1600万)、アンゴラ(1500万)に次いで大きいものであり、アフガン市民の安全確保及び復興の大きな阻害要因となっています。

●ムジャヒディーン(「イスラム聖戦士達」の意)
 ソ連軍侵攻・駐留時代に米、パキスタン、イラン、サウディ・アラビア等からの援助の下でゲリラ戦を展開したイスラム教徒民兵組織を指します。多民族国家としてのアフガニスタンでは、それぞれの民族的な背景や宗派的特徴を持ち合わせた組織が作られました。主要なムジャヒディーン組織としては、イスラム協会(ラバニ派、タジク人中心)、イスラム党(ヘクマティヤル派等、パシュトゥーン人中心)、イスラム統一党(ハリリ派等、ハザラ人(イスラム教シーア派)中心)、イスラム国民運動(ドストム派、ウズベク人中心)等が挙げられます。

●避難民及び国内避難民
避難民及び国内避難民  1979年のソ連軍によるアフガニスタン侵攻以降、周辺国(特にパキスタン、イラン)に流入しており、最大時には約620万人の難民が周辺国に滞留していました。
 97年1月現在でも、270万人弱の難民がパキスタン(120万人)、イラン(140万人)等に滞留しています。また、アフガニスタン国内の国内避難民は、判明しているだけで30万人を超えています。

●タリバーン(「求道者達、あるいは神学生達」の意)
 謎に包まれた最高指導者ムッラー・ムハンマド・オマル師が率いる神学生を中心とする集団です。タリバーンはパシュトゥーン人を主体に構成されており、パキスタンの宗教学校(マドラサ)で教育を受けた神学生を中心として結成されたと言われています。南部のカンダハールが本拠地です。厳格なイスラム法解釈及び適用を行うことから、西側諸国及び国際機関との摩擦がたえません。



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