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日・スウェーデン首脳会談(概要)


平成16年3月8日


 訪日中のパーション・スウェーデン首相は、3月8日17時55分過ぎから約1時間、小泉総理との首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり。


I.二国間関係

(1) 全般

(イ) 小泉総理から、スウェーデンは日本の旅行者にとって非常に人気があり、自分も20年前に訪れたことがある、また、日本の国会で福祉政策についての議論が行われる際、見習うべき例としてスウェーデンが常に取り上げられると述べた。これに対し、「パ」首相から、今回の首脳会談実現に対する謝意が表明されるとともに、二国間協力を更に促進したいと述べた。

(ロ) 小泉総理から、我が国とスウェーデンの間には良好な皇室・王室関係をはじめ特別な親近感があり、国王陛下は11回訪日されていると承知している、また、2000年の天皇皇后両陛下のスウェーデン御訪問の際の歓迎に感謝すると述べた。これに対し、「パ」首相から、国王陛下は日本がお好きで頻繁に訪問されている、自分にとっては訪日は初めてであるが、国王陛下が在位30年であるのに対し、自分は首相のポストについてまだ8年である旨述べたのに対し、総理から、日本から見ると8年は長期政権であると述べた。

(ハ) 「パ」首相から、昨年の総選挙での勝利に対し祝意を述べるとともに、小泉総理も二期目に入られたので、二期目の間に是非スウェーデンにお越し頂きたいと述べた。これに対し総理から、訪問したいと述べた。

(2) 対日投資促進

 小泉総理から、今後5年間で対日直接投資を倍増したいと考えており、家具企業イケアの千葉県への進出など、スウェーデン企業の日本進出を歓迎したいと述べた。

 これに対し、「パ」首相から、両国の投資は双方向で拡大しており、スウェーデンへの日本企業の投資も増加している、グローバル化が進む中で大変良い動きであると述べた。

(3) 愛・地球博

 小泉総理から、愛・地球博への北欧5カ国共同参加に対する謝意を述べたのに対し、「パ」首相から、愛・地球博を楽しみにしていると述べた。

(4) 情報技術(IT)・経済

 「パ」首相から、IT分野については両国の企業間協力が進んでいるが、この分野は日本のレベルが高く、情報セキュリティや電子政府(e-government)などの分野で協力を進めていきたいと述べた。これに対し小泉総理から、両国はこれまでに貿易経済協議を23回実施しているほか、昨年は官民合同のビジネス促進セミナーを開催した、また、ソニー・エリクソンや、製薬、自動車などの分野でも協力が行われており、更なる協力の促進に期待すると述べた。

(5) 福祉

 小泉総理から、スウェーデンは福祉の先進国であり、国会で福祉に関する議論が行われるときは必ずスウェーデンと比較されると述べた。これに対し、「パ」首相から、ヨーロッパは全体に福祉政策を重視しているが、特にスウェーデンは、デンマーク、フィンランドと並ぶ高負担・高福祉政策を採っている、スウェーデンの福祉政策は素晴らしいとほめられることが多く、それはそのとおりであるが、高い福祉水準のためには高い負担も必要であり、必ずしも常に人気のある政策ではない、またスウェーデンでも90年代初頭は財政的に危機状況にあったが、その後抑制的政策を取っていると述べた。

(6) ストックホルム-成田間のSAS直行便乗り入れ

 「パ」首相から、スカンジナビア航空のストックホルム-成田間の直行便乗り入れについての関心が表明された。これに対し、小泉総理から、成田への新規乗り入れは困難であると承知しているが、当事者間で話をしていきたいと述べた。


II.国際情勢

(1) イラク

 小泉総理から次のとおり説明した。
 イラク復興・人道支援のために自衛隊を現地に派遣した。派遣に至る過程では、派遣は自衛隊にとって危険であるとの意見が聞かれたり、2人の外交官殺害という痛ましい事件も起きたが、自衛隊は治安維持やテロ掃討などの軍事的作戦に加わることなく復興・人道支援に従事するものであり、国連からの要請も踏まえ、派遣を決定した。イラク復興支援に関しては米国のみならず各国と協力しており、ドイツとは警察官の訓練、フランスとは文化財保護、エジプトとは医療面での協力を進めている。貴国とは、対イラク武力行使に関しては立場が違ったと承知しているが、イラク復興支援に際しては、国際社会全体が一致して貢献していくべきと考える。

 これに対し「パ」首相から、次のとおり述べた。
 過去においては立場は違ったかもしれないが、それは過ぎたことである。自分は、自衛隊派遣に至る日本国内での議論や派遣決定が困難であったことについて承知しており、貴総理の決断を評価する。日本はイラクだけではなく広く国際社会に貢献されている。スウェーデンはイラクにおいて人道支援を行っているが、軍隊に関しては、要請があれば検討する用意はあるものの今すぐには派遣できる部隊がない。国連を重視すべきであるが、イラクの復興には簡単な解決策はなく、国際社会はイラクに安定して民主的な体制ができるまで関わり続けるべきである。イラクで失敗すれば中東地域全体の不安定化につながりかねない。またイラクだけでなく、アフガニスタンも忘れるべきではない。

(2) 国連改革

 「パ」首相から、イラクも国連の関与無しには前進は難しい、多国間機構が必要なときに行動を起こせる機関になるよう焦点を当てていかなければならない、スウェーデンは日本同様国連重視の政策を取ってきているが、今を逃すと国連改革は難しい、日本が常任理事国入りを目指すことは正当と考えるが、中小国の扱いについても考えていくことが必要である、アナン国連事務総長の下での改革を支援するため、日本とも協力したいと述べた。これに対し小泉総理から、日本もアナン事務総長の下での改革を支援している、困難な問題であるが現在は1つの大きなチャンスと考えると述べた。

(3) 北朝鮮

 「パ」首相の照会を受け、小泉総理から、我が国の立場を以下のとおり述べた。
 北朝鮮に関しては、先般、ようやく第2回目の六者会合が開催された。北朝鮮の核廃棄は日本以外の参加国の最大の関心事項であるが、日本にとっては、核廃棄問題と並ぶ国民の大きな関心事項は拉致問題である。自分が2002年9月に平壌を訪れ金正日総書記と会談した際、北朝鮮はそれまで認めなかった拉致問題を認めて謝罪し、5名の拉致被害者の方々は帰国したが、その家族の方々はまだ帰ってきていない。日本としては拉致問題は核問題と並んで重要と考えているが、なかなか解決の見通しは立たない。貴国は北朝鮮と国交を有しておられるので、機会があれば、北朝鮮が国際社会の一員になることが同国の安全と繁栄にとって重要であるということを他の国々からも北朝鮮に伝えて頂くことが重要と考える。

 これに対し、「パ」首相から、貴総理の考えに完全に同意する、自分も2001年のEU議長国の時北朝鮮を訪問し、今回も北朝鮮に行きたいと考えていたが、今のところ見通しが立っていない、対話を通じ、解決策が見つかることを希望すると述べた。



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