平成20年3月
世界的に人気のある日本のポップカルチャーですが、ヨルダンでも日本のアニメーションや漫画が若者に人気を博しています。TVで日本アニメを見たことがきっかけで、インターネットで関連情報を探す熱心なファンも多く、またポップカルチャーへの憧れから日本語学習に関心を持つ若者も大勢います。
そうした中から単なる鑑賞者ではなく、表現者としてポップカルチャーに取り組む若者も出てきました。産油国の多い中東諸国の中で、天然資源に恵まれないヨルダンですが、熱心に人的資源の開発-教育-に取り組んでおり、特にIT教育に力が入れられている成果として、国境を越えてコンピューターを使ったデザインで活躍する若者たちが増えています。しかし、中東の多くの国が人口の半数以上が20歳以下という、ポップカルチャーの大きな市場であるのに、中東で制作されたコンテンツは未だ乏しいのが現状です。
以上を背景に、黎明期にあるヨルダンのデジタルコンテンツ産業を芸術面と技術面の双方から支援することを目的として、在ヨルダン日本大使館は、国際交流基金、ヨルダン王立映画協会と協力し、アニメーション作家の新海誠監督をヨルダンに招き、1月にデジタルアニメーション制作のワークショップを実施しました。
選抜された20名の参加者が非常に真剣に取り組んだこと、また新海監督の素晴らしい才能と人柄により、ワークショップは大きな成果をあげました。特に、単独制作の作品をきっかけにデビューした新海監督のサクセスストーリーは、真剣な努力を重ねれば少人数であってもアニメーション作品が制作可能であることを示し、ヨルダンの若手映像作家に大きなインパクトを与えました。監督と参加者との交流は日本とヨルダンとの間の相互理解を深め、また将来の更なる芸術交流の基盤を築くものになったものと思います。
ワークショップでの風景
IT教育に取り組む首都郊外の児童センターでの交流風景