2007年7月
ヒマラヤ山塊の外縁に連なる北部タイ地方には、南北方向に走る褶曲山脈が数多くあります。そして、この山脈から低地部に流れ込む水流が集まって河川を形成し、北から南へと流下してタイ中央部を貫き、シャム湾へ至っています。
こうした河川の一つであるピン川の流域に位置し、西方のドーイ・ステープ(「ドーイ」は北部方言で「山」を意味)を含め、北及び東の三方を山に囲まれ、南方向に開かれた盆地の持つ肥沃さと戦略的地形に目をとめたランナー王国(「ランナー」は「百万の田」を意味)のメンラーイ王により、1296年に都として建設されたのがチェンマイの始まりです。
以来、旧市街を取り囲む堀割りと、その数百を超すと言われる仏教寺院に囲まれたチェンマイの街は、幾多の変遷を経ながらも、「北方の薔薇」に例えられる豊かな自然に囲まれて、ランナー王国の伝統を今に伝える文化的中心として、あるいはミャンマーやラオス、中国雲南地方といった近隣諸国を結ぶゲートウェーとして脚光を浴びています。日本からチェンマイを訪れるには、首都バンコクからの航空便(所要飛行時間は1時間)に加えて鉄道や長距離バスを利用することもできます。
チェンマイ市(標高313メートル)は、アンダマン海からと東シナ海からとのモンスーンの影響を受けるため、雨期(例年5月~10月)と乾期(例年11月~4月)が画然としています。また、年間を通じて一日の最高気温は常に30℃を上回っていますが、11月~2月の平均気温は23℃ほどであり、また、12月~1月の早朝には10℃を下回ることもあります。
こうした比較的おだやかな気候のため、チェンマイ市は以前から避暑地として知られており、ドーイ・ステープの山麓にはタイ王室のプーピン宮殿もあります。
日本とタイとの歴史においても、チェンマイを含む北部タイ地方は以前から交流がみられます。特に1980年代以降はタイ経済の躍進と相まった形で日系企業の進出も盛んになりました。また、昨今では中高年層からなる長期滞在者にも人気を呼んでいます。
こうした状況を踏まえて、2004年1月にはチェンマイ市内に在チェンマイ総領事館が開設され、チェンマイ県をはじめとする北部9県を管轄地域としています。
