2006年11月
在アフガニスタン日本国大使館は、旧ソ連の国内侵攻に端を発する混乱のため一時閉鎖していましたが、タリバン政権の崩壊をもって20年以上に及ぶ混乱がようやく落ち着いたことから、2002年2月に再開されました。
当時の大使館事務所は砲撃の痕も生々しく、また地雷や不発弾の処理も必要だったため、しばらくは近くの破壊を免れた民家を借り受け、事務所兼館員宿舎として使用していました。再開当初は、正式に在アフガニスタン日本大使館員として発令を受けていたのは大使のみで、他は世界各地の大使館などから短期の応援出張を得ながら激務をこなす日々が続きました。
その後、事務所の応急修復が終わり使用できるようになりましたが、建物中が隙間だらけで館内は常に埃っぽく、水漏れやネズミ害も頻繁に発生したりと、民家時代と変わらぬ厳しい生活環境でした。館員が執務中に天井が抜け落ち、あやうく公傷(?)を負うかという事件もありました。
現在の大使館事務所は、これを大幅に増改築し2005年に完成したものですが、ようやく夏の暑さや冬の寒さもさほど気にすることなく、落ち着いて仕事のできる環境となりました。それでも、まだ敷地内から砲弾の残骸が見つかったりすることもあり、昔はさぞや、との思いをかき立てられます。
2001年11月のタリバン政権崩壊後に本格化した国際支援は、約束ベースでも合計232億ドルという史上最大規模のものです。タリバン残党などの根強い抵抗を受けつつ、アフガニスタン国民の悲願である長期的平和の実現に向けて、大がかりな取り組みが進んでいます。
その中で、日本も主要アクターの一員として大きな貢献を行い、その成果はアフガニスタン国民や当地の国際社会からも高く評価されていますが、その陰にはこのようなかつての在アフガニスタン大使館勤務者たちの厳酷な環境下での苦労があったことを、あらためて肝に銘じている次第です。