在外公館

在外公館・日本企業支援担当官の手記

在ウルグアイ日本大使館
二等書記官 石井正己

平成20年8月

 「ウルグアイってどこ?」或いは「ウルグアイで日本企業支援?」と思われるかも知れません。また、GATTウルグアイ・ラウンドやサッカーを通じ、ウルグアイについて多少ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一般的に日本人のウルグアイに関する知識は非常に限られているのが実情です。距離的には、ウルグアイは地球上で日本から最も離れた国であり、日本とウルグアイとの二国間貿易額も、日本とアジアや北米、中東、欧州の各国との貿易額と比較すれば決して大きい規模ではありません。しかし、私は、このような現状なのだから、尚のこと日本とウルグアイの関係強化に結びつく二国間経済活動は重要なのであり、大使館としてそれを側面支援し、日本のプレゼンスを維持・強化していくことが必要であると考え、日本企業支援に日々携わってきました。

 今年5月、ある大手日本企業より、ウルグアイで日本米ビジネスを開始するにあたり、同社の日本米を使った試食会をモンテビデオにて開催したい旨相談を受けました。これに対し、当館としては、同社の費用負担のもとで、在ウルグアイ日本大使公邸で日本米試食会を共催することを提案し、翌月それが実現する運びとなりました。そして、ただ美味しく日本米を食べるだけではもったいないと考え、試食会をプレイアップするにはどのようにアレンジすれば良いか、私は先の大手日本企業と相談しながら、特に次の点に注意しながら計画を練りました。

 第一が、試食会招待客の洗い出しです。今後同社がウルグアイで日本米ビジネスを展開するにあたり重要になると考えられる政府関係者、業界団体、企業、研究所等のコンタクトを発掘し、同社と相談しながら招待客リストを作っていきました。その際には特に、同社の日本米ビジネスに関して競合しかねない政府機関や企業どうしの微妙な関係にも細心の注意を払うことが重要であり、当館で持っている諸情報を用いながら、招待客の洗い出しを進めました。

 第二が、日本米と日本食のプロモーションです。私は、大使公邸料理人と同社と相談しながら、ウルグアイの人々にも受け入れやすいにぎり寿司、巻き寿司、おこわ等の日本の米料理を選び、また、これら米料理と合った日本的なおかずをピックアップして、メニューを調整しました。ウルグアイには日本食レストランがないため、少しでも日本米と日本食そのものへの関心を惹きつける必要があり、試食会は右の良い機会となりました。

 第三が、日本米についての解説と料理のデモンストレーションです。ウルグアイでは、一般的に長粒米が流通しており、鍋で適当な量の水でご飯を炊くというのが一般的で、日本人の敏感な水加減や炊き具合といった観念がありません。また、日本米の調理例もよく知られておりません。そのため、試食会では日本米の特性についての説明と、大使公邸料理人による巻き寿司のデモンストレーションを行いました。右により、試食会に日本文化のプロモーション及びエンターテイメントの側面を付け加えることができました。

 以上の点に特に留意しながら大使公邸での日本米試食会を準備したのは、大使館として試食会を単なる食事会に終わらせず、同社のウルグアイにおける日本米ビジネス円滑化のためのコネクション作り、関係企業との接点提供を通じたビジネスチャンス発掘のお手伝い、及び日本文化理解促進等の要素を付加するためでした。大使館はビジネスを行う主体そのものではありませんが、海外に進出する日系企業のビジネスを側面的支援の形でお手伝いするとともに、外国における日本への理解を促進する機能を持っています。日本企業支援担当官として、日系企業の皆様には、側面的支援のため、より一層大使館をご活用くださいますようお待ちしております。

  • (写真)

    (日本米試食会風景)

  • (写真)

    (巻き寿司デモンストレーション)

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