在外公館

在外公館・日本企業支援担当官の手記

在ポーランド日本国大使館
一等書記官 下川徹也

平成21年7月

 ポーランドには、約240社の日本企業が進出しており、うち約70社が製造業です。EU加盟後の進出の伸び率は非常に高く、ポーランドは欧州域内における製造拠点の一つとなっているとともに、今後は販売拠点、そしてロジスティクスの拠点ともなるポテンシャルが高いと考えられます。

 このように多くの日本企業が進出されている国ですので、日本企業支援の仕事は、経済班のみならず大使を筆頭に大使館全体が連携して対応するよう心がけるとともに、できるだけワルシャワだけでなくポーランド国内各地に展開する企業や工場の訪問、定期的な情報提供、レセプションの開催等による情報交換・ビジネスマッチング機会の提供、企業の技術力・製品等のPR、セミナー・ミッションの支援、個別案件に関するご相談等幅広く対応しています。

 最初に、投資を検討される企業への支援として、ジェトロ・ワルシャワ事務所、ポーランド海外投資情報庁や在京ポーランド大使館経済部等の関係機関とも密接に連携して支援ができるよう心がけており、例えば、ジェトロ・ワルシャワ事務所とは定期的に情報交換を行いながら、ジェトロ主催の投資ミッションに大使館も参加する等協力して活動を行っています。

  すでに当地に進出されている企業の皆様との関係では、毎月開催される商工会に大使館も参加し、大使はじめ館員から最近の政治・経済事情等について情報提供も行っています。商工会は通常ワルシャワ開催ですが、地方に展開する企業も多く、年に数回地方開催も実施されるため、そこにも参加し、日本企業との接点をできるだけ多く持つよう努めています。

 大使が地方出張する際には進出企業を訪問し、地方政府関係者に企業側の要望を伝えることとしており、当地(ほとんどのケースは経済特区)に進出される過程で具体的な問題が生じた場合には中央・地方政府、市町村等の関係当局への働きかけや改善要請を積極的に行っています。新工場のオープニング式典や設立周年記念等のイベントにも積極的に参加し、日本企業のポーランド経済への貢献をPRしています。また、当館は毎週及び四半期毎に、ポーランドの新聞各社のニュースをもとに日本語のダイジェスト版として「ポーランド政治・社会情勢」を配信しています。現在、配信登録数は約900件。ポーランド在住の方はもとより、大学、研究機関、調査機関等のポーランドウォッチャーの方々にも最新の出来事をお伝えすることで、ご好評を頂いています。

 すでに進出されている企業の皆様以外にも、日本や欧州域内からポーランドを訪問される方も多く、小官が着任してから約1年の間に、御手洗経団連会長を団長とする欧州調査団を含め、6つのミッションがポーランドを訪問されました。更に、個別に当館を訪問された方も含めると約2百人にのぼります。このように多くの方がポーランドに関心を示して頂いているという事実は経済担当の書記官として非常に嬉しい限りです。

 最近では、環境・エネルギーやテレコミ分野が新しい分野として浮上しています。昨年、京都議定書に基づく共同実施プロジェクトとして化学会社との共同プロジェクトを開始したり、日本企業が出資する初の風力発電事業としてポーランド北部で24基の風力を展開し始めたり、また、ポーランドの電力産業が日本の電力事情(特に石炭及び原子力)視察のため、政官民からなる30名規模のミッションが日本を訪問しています。日本は世界で最も高いエネルギー効率を持つ国のひとつであるとともに、現在、53基(47,935MW)の原子力発電所の運転・管理を電力会社が実施しています。これから老朽化した石炭火力発電所のリハビリ・リプレース需要が顕在化したり、2020年までに原子力発電所1基ないし2基を初めて導入する計画を持つポーランドにとって日本企業との協力は非常にメリットが大きいと推察されます。他方、ポーランドの地理的条件等から、フランスやドイツ等の欧州系の企業がこうしたエネルギー分野でのパートナーとして参画するケースが多く、日本企業のビジネス展開は厳しい競争を強いられています。こうした状況に少しでも貢献できればとの思いから、このエネルギーミッションの訪日前に、ミッションメンバーへ資料提供し、また、ポーランド側と日本側の関係者にお集まりいただき、公邸にてレセプションを開催しました。

 更に、7月には日本から総務省及び情報通信関係の企業が参加するミッションがワルシャワを訪問し、日・ポーランド情報通信セミナーを開催し、意見交換を行いましたが、当館もその側面支援を行っております。ポーランドのインターネットアクセスは、OECD調査レポートによると加盟国内で最も低い水準にある等、日本企業の持つ技術やコンテンツ等をうまく活用することができれば両国にとって相互に利益を生み出す関係となるのではないかと期待しております。

 この他にも、毎年12月に大使公邸で開催される天皇誕生日レセプションでは、大使のイニシアティブにより日本企業の製品をPRするとの観点から、これまで自動車、液晶テレビ、タイヤ、電池等を展示しております。今年初の取組として、子供達の科学への関心を高めるために毎年開催されている野外イベント「科学ピクニック」(主催者側発表では参加者は10~12万人)に参加し、ポーランド日本情報工科大学、ポーランド日本省エネルギー技術センター、ポーランド科学アカデミー、日本企業とも連携して日本が誇る技術力(宇宙・航空技術、ロボット、省エネ等)を身近に感じられるよう直接触れられる形に工夫をして展示・実演するブースを出展しました。

 このように、投資検討段階、進出検討時、進出後を含めた多くのフェーズでできる限り日本企業のお役に立てるよう今後とも努力して参る所存です。何かございましたら遠慮無く大使館までご連絡いただければ幸いです。

  • (写真)

    (エネルギーレセプション)

  • (写真)

    (科学ピクニック日本大使館ブースの様子)

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