平成19年1月より、新装間もない大使館内に「日本企業支援センター」がオープンしました。インド、チリと並んで、日本の在外公館の中でも一番乗りです。
タイは既に過去50年以上もの間、日本企業にとって世界最大級のビジネス拠点であり、企業数にして数千社、バンコク日本人商工会議所の正会員だけでも1270社を超える規模となっています。最近は特に、発展著しいインドやペルシア湾岸地域経済への「中継点」としてタイの戦略的重要性が更に高まっており、ここを拠点として生産された製品が続々と世界各地に~場合によっては日本へも~輸出されています。また、タイから見ても日本は常に最大の貿易相手国であるとともに、これまで受け入れた外国投資のストック中、実に4割が日本からとなっており、世界中で最も死活的に重要なパートナーに他なりません。
ところが、昨年9月のクーデタを境にタイの国内政治が若干過渡的な時期を迎え、最近は特に外国人事業法改正や中銀による外貨取引規制、ビジネスマンの滞在ビザ制度の厳格化等、従来あたかも当然視されてきたタイの投資環境の「オープン」なイメージが微妙に翳りつつあるのも事実です。このことも反映してか、大使館の「日本企業支援センター」には、開設以来ほぼ切れ目なしに多数の相談が寄せられております。
事の本質が投資環境全体の変化に発するとすれば、個々の問題の解決も相応に時間と手間のかかるケースが多くなるでしょうが、そうであればなお一層のこと、各企業と大使館の間で常に緊密に意見交換と情報シェアに努め、必要と判断される場合は直ちに大使館がタイ政府に問題提起を行い得るよう体制を組んでおくことは、問題の分野・性質を問わず「オールジャパン」として不可欠の取り組みです。幸いバンコクでは、大使館、JETRO、JBIC、JICA等いわゆる「J」組織間でしっかりとした連帯が維持されており、問題解決にあたって臨機応変・全方位的に取り組むことが可能です。
本年は、長らく待望であった日タイ経済連携協定(JTEPA)が署名・発効に至る期待もより高まっており、日タイ修好120年の祝賀ムードとも相俟って、タイにおける日本企業のビジネスを更に上昇気流に乗せるチャンスとも言えます。誕生間もない「日本企業支援センター」もそうした中で新しい役割を果たせるよう、何卒フルに御利用頂きたいと存じます。