ビジネスの観点から見たインドの魅力は、何よりも、人口11億人を越える巨大な市場です。今や一年間に乗用車は150万台以上、オートバイは740万台以上の販売台数となり(2008年度)、携帯電話の加入者数は4億1500万(2009年5月末)となりました。そして、世界的な金融・経済危機にもかかわらず、堅調な成長ぶりを示しています。先般、インド中央統計局は2008年度のインドの実質GDP成長率を6.7%と発表しました。また、2009年度について、シン首相は、少なくとも7%の成長率を達成し、2、3年のうちに世界経済が悪くとも8-9%の成長を達することができると発言し、他国に比べて早期の経済回復に自信を示しています。
そうしたインドに対して、日本企業の投資は急増しています。2008年の日本からの対印直接投資は5,429億円で、対前年比約3.5倍増。当館に企業支援センターを設置した2006年との比較では、実に約10倍の投資が行われました。首都デリー周辺の日系企業により構成される「インド日本商工会(JCCII)」の会員数も、半世紀を経て2004年に100社を越えたばかりであったのが、本年7月1日現在、233社となりました。
近年日系企業が急増しているとはいえ、まだまだその数は東アジアや東南アジアにおけるほどではありません。今後の進出を目指して多くの日本企業が準備活動を行っている段階でしょう。当センターへの相談も、投資実施前の情報収集の一環としての問い合わせが最も多く、一般的なインド経済情勢、分野別の市場動向やビジネス慣行、政府系機関や関連企業の連絡先について、多くのお問い合わせをいただいています。長期出張者の宿舎について相談を受けることもあります。
当地で活動中の企業からは、インド中央政府や州政府内の手続を円滑化するための側面支援を求められることもしばしばです。大使館としては、日本企業支援を最優先課題として扱い、事例に応じて、インド政府に働きかけを行っています。また、インド日本商工会としてインド政府に対して、土地取得円滑化、税制改正、インフラ整備等のビジネス環境改善を求める「建議書」を提出するのにも協力しました。
インドでは去る5月に行われた総選挙で与党コングレス党が大勝しました。産業界は、安定政権の下で更なる経済改革が進められ、ビジネス環境が一層改善することに期待を寄せています。日本企業の対印投資が今後一層拡大することが見込まれる中、当館の支援センターも活動をより充実させてまいります。