平成20年7月より、総領事館のなかに「日本企業支援センター」がオープンしました。折しも、社会主義国であるベトナムは、平成19年1月よりWTOに加盟し、平成21年1月より100%外資による販売会社の設立ができるようになり、外国企業にとり魅力のある国内販売市場となってきました。平均年齢30.6才で現在8650万人の人口は、2020年には1億人を超えると予測されています。また、ホーチミン市は東南アジアの中心にあり1000キロメートル圏内にタイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシアなどが立地し、欧米への輸出拠点としての中間点ともなっており、ベトナム南部に日本のODAで建設中のカイメップ・チーバイ国際港に対する期待も高まっています。
昨年以来の世界経済危機の下でも、数少ない成長国の一つとしてベトナムは注目されており、ベトナム南部への日本企業進出は続いています。
自動車部品、セメント・陶器・硝子など建材関係、IT、通信など輸出型日系製造企業は低迷していますが、飲料・食料品、医薬品、縫製品、家電、鉄鋼など国内販売型日系製造企業活動は堅調なまま推移しています。また、小売販売(コンビニ、デパート)、物流、倉庫、海運などもベトナム南部での活動拠点作りに力が入っています。
ベトナムでは歴史的に日本への関心は深く、御朱印船貿易時代の日本人街での誠実な日本商人のビジネスマナー、日露戦争勝利後の日本へのベトナム人留学生派遣、第二次大戦後の残留日本兵達が解放軍を指導したことなどが、いまだに日本への尊敬として記憶されています。また、ベトナム人は勤勉かつ忍耐強く、特に女性の管理職(職場長レベル)が多く、活躍が目立ちます。
平成20年12月に、長らく待望であった日越経済連帯協定(JVEPA)が調印され、ベトナム南部への日系企業進出の期待がさらに高まっており、介護分野、教育分野(技能研修生派遣)などでの新しいビジネスチャンスがはじまっています。また、外国系企業が整備した工業団地及びホーチミン市近郊の経済特区・輸出加工区にある工業団地は既に満杯となっていることから、新たに現地に進出する日系中小企業の中には現地政府企業が整備した工業団地に入居せざるを得ないケースが増えてきており、特にこれらの企業は行政手続き上の不備、インフラ整備遅れ、労働雇用問題などに苦労しています。日本企業支援センターはこれらの企業に対して商工会への加入の推奨を含めて各種アドバイスを行っています。
ホーチミン市をはじめとする大消費地の堅調な成長、後背地に肥沃なメコンデルタ地域の農水産業を持ち、更にはバーリア・ブンタオ省及びカマウ省沖合に豊富な石油・ガス資源を擁するベトナム南部におけるビジネスチャンスは今後更に増えると予想され、日本企業支援センターの役割も増すことと思います。また、そうした状況を背景に、ホーチミン市のJETRO、JICA、ホーチミン日本商工会(会員会社454社、7月現在)と連携協力し、地方政府への要望事項などを総領事館としてとりまとめ行っていく窓口として日本企業支援センターの役割が重要となっています。
今後とも日本企業支援センターの更なる利用及び活用をしていただきたいと思います。