外務本省

山中外務大臣政務官のモンテネグロ共和国訪問(概要)

平成18年6月

 山中政務官は、6月21日(ポドゴリツァ着)~23日(日本着)、総理特使としてモンテネグロ共和国を訪問したところ、概要以下の通り。

1.日程等

山中外務大臣政務官の日程
日付 予定
6月21日(水曜日) 午後
  • コトル(世界遺産の町)視察
  • ブラホビッチ外相主催夕食会
6月22日(木曜日) 午前
  • ブラホビッチ外相との会談
  • 日本と縁のあるモンテネグロ要人()との昼食会
午後
  • ジュカノビッチ首相との会談
  • ブヤノビッチ大統領との会談
6月23日(金曜日) (日本着)

ブランコ・ルコバッツ元セルビア・モンテネグロ対外経済関係大臣、ランコ・ラドゥロビッチ元駐日ユーゴスラビア大使及びベチャノビッチ・モンテネグロ柔道連盟会長(東海大学柔道部との交流あり)

2.訪問の概要

 今回の訪問は、モンテネグロ共和国の独立に際し、6月16日に閣議で我が国が同国を国家承認したことを受け、小泉総理の親書をジュカノビッチ首相に手交するために、総理特使として山中政務官が同国に派遣されたものである。
 モンテネグロ共和国の独立直後に日本が総理特使として政治レベルの要人を派遣したことは、日・モンテネグロ二国間の文脈において極めてタイムリーであり、また我が国が西バルカン地域の平和と安定を重視しているとの姿勢を内外に示す上でも有意義であった。
 現地のテレビ、ラジオ、新聞等のメディアもモンテネグロの独立を早期に承認した国として、山中特使の訪問を大きく取り上げ、大統領、首相への表敬や、外務大臣との会談・共同記者会見の模様などを放送したため、モンテネグロ国民に対しても日本のプレゼンスを認識してもらう良い機会となった。特に、同国が、「人口62万の小さな国」と形容されることに対し、山中特使より、日本の伝統的・文化的な価値観として、「小さきこと いと うるわし」を説明したところ、モンテネグロ側各要人とも強く印象付けられた様子であり、今後の両国関係の良いスタートとなった。

3.要人との会談(主な内容)

(1)ブラホビッチ外相との会談

 山中特使より小泉純一郎総理大臣のイニシャティヴで6月16日にモンテネグロ独立を閣議決定し、早速に特使として派遣されたことを名誉に思うと述べ、さらに、麻生太郎外務大臣からのメッセージとして、モンテネグロ共和国の独立を歓迎し、両国の関係が深く、広くかつ緊密になることを期待しており、そのためにも日本は同国の民主化及び経済的発展に向けた努力を支援していく旨述べた。
 これに対して、ブラホビッチ外相からは、米、英、中、仏、独、露など15カ国が既に大使館設置を決めており、6月初旬には中国から招待されており、訪中の予定であることが披瀝され、モンテネグロにおける日本大使館の開設及び日本からの直接投資を期待する旨の要請があった。
 今後、両国が協力できる分野として、文化遺産の保護、農業・漁業、環境分野等を指摘した。
 このほか、バルカン情勢やアジア情勢につき意見交換を行った。
 会談後の共同記者会見においては、両国関係の発展、外交関係の正式開設、民主化と経済発展への日本の支援、殊に、農業、漁業、環境分野での協力に言及した。

(写真)ブラホビッチ外相との会談

ブラホビッチ外相との会談

(写真)ブラホビッチ外相との会談後の記者会見

ブラホビッチ外相との会談後の記者会見

(2)ジュカノビッチ首相との会談

 山中特使より、モンテネグロ共和国の独立を歓迎する旨の小泉総理の親書を手交しつつ、これを機に両国の関係が一層深まり、幅広くかつ緊密なものとなるよう願っているとの小泉総理のメッセージを伝えた。また、麻生外務大臣からのメッセージとして、我が国としても、同国の民主化の進展及び経済的発展のために協力を惜しまない旨述べたのに対し、ジュカノビッチ首相は、日本が政府高官を最初に派遣したことへの謝意を表するとともに、民主化と経済的発展は当面の最優先課題である旨述べた。
 さらに、ジュカノビッチ首相は、日本からの文化・医療分野への支援を感謝すると同時に、今後は、インフラ整備と農業、漁業などを含むさらなる経済協力を期待する旨述べた。
 これに対して山中特使より、農業はバイオの分野や園芸分野など、近隣諸国との差別化を念頭に総合プランを策定すべきであること、さらに、漁業においても、クロアチアのマグロ養殖などの二番煎じではなく、モンテネグロに自生する魚種を付加価値を付ける加工技術の導入などの独自性を出すことも一案である旨述べたところ、首相からは、総合的な開発計画という視点、独自性を出すことの肝要さなど、非常に的を射たアドバイスを受け、そのような知見を有した特使を派遣してくれたことを、小泉総理に感謝する旨の発言があった。
 次に山中特使より、民族構成の複雑なモンテネグロが、独立までの間、周到に戦略を立て、忍耐強く、EUと協力し、無血で独立を合法的に勝ち取ったことを評価し、近い将来、多民族国家のモデルとして、民族問題で苦悩している国々に希望を与えて欲しい旨期待を表した。
 ジュカノビッチ首相は、旧ユーゴ各国が戦争状態になって独立を果たしていったので、一番小さいモンテネグロとしては、軍事力に訴えずに独立することを目指した。しかし、安全保障の重要性は一番良く認識しており、モンテネグロ共和国はEU及び国連は勿論のことNATOの正式な加盟国になることを目指して既に折衝を開始している旨説明があった。

(写真)ジュカノビッチ首相との会談

ジュカノビッチ首相との会談

(3)日本と縁のあるモンテネグロ要人との昼食会

 バルカン情勢をはじめとする地域情勢、モンテネグロ共和国内政問題、スポーツや文化を通じた両国の交流の重要性等につき意見交換を行った。

(4)ブヤノビッチ大統領との会談

 ブヤノビッチ大統領より、モンテネグロ独立の承認後の早々の訪問を感謝する旨述べた。そこで、山中特使より、小泉総理及び麻生大臣は、新たに誕生したモンテネグロ共和国との関係がさらに深く、幅広くかつ緊密なものとなるよう期待している旨応答した。加えて、日本として、文化遺産の保護や環境保護、農業、漁業の分野等を含め、同国の発展のためにできる限りの支援を行っていきたい旨述べた。
 ブヤノビッチ大統領より、松浦ユネスコ事務局長がモンテネグロを訪問したことがあると披瀝し、経済協力をはじめとしてこれまで日本がモンテネグロに対して行ってきた支援に謝意を表した。
 また、ブヤノビッチ大統領はモンテネグロに進出している大同メタルは日本企業の象徴であり、今後、更なる企業の投資を期待する旨述べた。これに対して、大同メタルはモンテネグロの投資環境を考える上で、日本の企業が注目しているところであり、是非、日本とモンテネグロ協力の成功例としたいと考えている。そのために電力の安定供給など、モンテネグロ政府としても、大同メタルの操業に一定の配慮を願いたい旨付言した。
 更に、バルカン半島の中で、流血のない独立を果たした、モンテネグロ政府の忍耐力と早期のユーロの導入や6月23日のOSCEへの加盟をはじめ、6月28日の国連加盟などの準備段階での戦略性を高く評価すると同時に、モンテネグロが多民族国家のモデルとして平和な発展を遂げることへの期待感を表した。
 これに対し、ブヤノビッチ大統領より、日本側の上記認識を評価し、その期待に応える決意が述べられた。

(写真)ブヤノビッチ大統領との会談

ブヤノビッチ大統領との会談

4.コトル(世界遺産の町)視察

 山中政務官は、世界遺産として登録されて、日本が財政援助をしている町(コトル)を視察した。その際、リサンにおいて、野晒しにされているローマ時代のモザイク画の遺跡も現状視察をした。

(写真)世界遺産の町、コトルの視察

世界遺産の町、コトルの視察

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