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外務本省

第1回「川口賞」受賞者
<表彰理由>


平成15年1月31日



I.団体部門

1.在アフガニスタン大使館 代表者:駒野 欽一大使 以下館員一同

<表彰理由>
 過酷な環境下、外交の最前線で日本の「顔」として奮闘し、日本の対アフガニスタン外交において多大な貢献を行った。現地では大規模な支援活動が行われているため業務量は多く、プロジェクト実施のためのアフガニスタン政府との調整をはじめとした各種会合が頻繁に開催されている。また、館員の勤務・生活環境は厳しく、出張者宿舎の近隣にロケット弾が撃ち込まれたこともある。このような状況にもかかわらず、駒野大使以下館員は強い使命感をもって精力的・献身的に業務を遂行し、アフガニスタンにおける日本のプレゼンスを高める上で多大な功績があったものと認められる。なお、駒野大使はカルザイ大統領を始め政府要人との関係も緊密であり、他国の大使からも信頼が厚い。


2.在象牙海岸共和国大使館 代表者:黒川 祐次大使 以下館員一同

<表彰理由>
 平成14年9月、象牙海岸共和国において発生した内乱に際し、同国に滞在する約160人の在留邦人の所在及び安否を的確に把握し、戦闘激戦区にあった同国中部に位置するブアケの在留邦人11名を、仏軍の協力を得つつ、無事にアビジャンへ退避させた。また、現地の情勢変化に伴い、当初は安全とされた地域に滞在していた青年海外協力隊員を、仏、米側の協力を得て退避させた。更に、これら邦人のアビジャン到着後、大使公邸及び館員宿舎を宿泊場所として提供する等邦人保護のために可能な限りの措置を講じた。このような一連の活動を通じ、黒川大使以下館員は、リスクを恐れず、強い使命感と一体感をもって職務を遂行したものと認められる。


3.在中央アフリカ大使館 代表者:高倍 宣義大使 以下館員一同

<表彰理由>
 平成13年5月28日及び平成14年10月25日に中央アフリカの首都バンギ市で発生した政府軍と反乱兵による騒擾事件に際し、戦乱の渦中にあった同地において、在留邦人の動向、所在等を的確に把握するとともに、現地国連関係者、アメリカ大使館、フランス大使館等と連携し、戦闘地域に所在する在留邦人を無事に救出した。このような一連の活動を通じ、高倍大使以下館員は、リスクを恐れず、強い使命感と一体感をもって職務を遂行したものと認められる。



II.個人部門

1.外務省診療所 外務技官   仲本 光一 (45歳)

 昭和58年度医師国家試験合格。平成4年、外務技官として外務省入省。本省においては福利厚生室、在外においては在ミャンマー大、在インドネシア大を経て、平成13年10月より外務省診療所で勤務、現在に到る。

<表彰理由>
 過去に邦人が巻き込まれた事件(ハワイの「えひめ丸」事件、インドネシア・メダンでのガルーダ・インドネシア航空機墜落事故等)に際し、事件被害者や被害者ご家族への心身両面での対応に献身的に携わってきたほか、最近では北朝鮮による拉致被害者調査団の団員としても活動した。これらの活動を通じて、災害事故に遭われた邦人被害者やご家族への医学的対応を一つのスタンダード(「災害事故に遭われた邦人被害者・ご家族への心的トラウマ対応」)として構築した。同人のこのような業績は、現在、外務省の領事や医務官等による現場での活動に活かされており、外務省の活動を支える重要な貢献があったものと認められる。


2.条約局 法規課 専門官   小溝 泰義(55歳)

 昭和44年度外務公務員採用中級試験合格。昭和45年外務省入省。本省においては、人事課、経済協力第二課、法規課、国際協定課、南東アジア第二課、在外においては、在サウディ・アラビア大、在オーストリア大に勤務。この他、昭和62年から平成3年及び平成9年から平成14年には国際原子力機関(IAEA)へ出向。平成14年11月より法規課にて勤務、現在に到る。

<表彰理由>
 IAEA法務部出向時代(昭和62年~平成3年)、当時の法務部長であったエルバラダイ氏と共に勤務し、優れた実務能力を高く評価された結果、エルバラダイ氏が平成9年に事務局長に選出された際には、同事務局長の強い要請を受け、事務局長特別補佐官に任命された。その後、5年にわたり同補佐官を務めた期間は、事務局内部の調整及び加盟国とのパイプ役として事務局長を強力に補佐した。2002年10月にはIAEAで功労賞を授与されるなど、模範的な国際公務員として高く評価されている。更に、IAEAにおける邦人職員増強を内部から強力に支援し、また、日本政府関係者との緊密な情報交換に基づき、IAEAと日本との調整役を見事に務めるなど、日本の対IAEA政策の実施にも多大なる貢献があったものと認められる。なお、同人の功績については、エルバラダイIAEA事務局長より川口大臣宛の書簡にて感謝の辞が述べられている。


3.在アメリカ合衆国大使館 一等書記官   紀谷 昌彦(38歳)

 昭和61年度外務公務員採用Ⅰ種試験合格。昭和62年外務省入省。在ナイジェリア大、西欧第二課、会計課、国際経済第二課を経て、平成12年8月より在米大勤務、現在に到る。

<表彰理由>
 在アメリカ合衆国大使館経済部に勤務しつつ、多岐に亘る開発問題専門家のの意見を集約する手法により、これからの外務省の開かれた政策立案のモデルを提示した。具体的には、政府、国際機関、援助実施機関、企業、NGO、シンクタンク、大学、メディア等の経済協力関係者が実務や研究に携わっている米国において、有志による組織の枠を越えた意見交換を通じ、幅広い知見を集約する機会を提供すべく、ブラウンバッグランチ(昼食持ち寄りのセミナー)の発足に尽力した。更に、開発戦略についての政策論議を深める場としての「D C開発フォーラム」に発展させ、同フォーラムにおける議論の結果を実際の政策立案・実施に反映させるため、ウェブサイト、メールマガジン等を積極的に活用し、世界各地の関係者に発信した。このような一連の独創性に富んだ活動は、省内外からも高く評価されており、知的創造性が求められる外務省の活動の新しい方向性を実践によって示すものと認められる。

 (同フォーラムの活動の詳細はウェブサイト
(http://www.developmentforum.org/)で閲覧できる。)


4.在アメリカ合衆国大使館 一等書記官   高橋 博史(53歳)

 平成2年外務省入省。本省においては中近東第二課、在外においては在パキスタン大使館、在ウズベキスタン大に勤務。この他、国連アフガニスタン特別ミッション、国際連合タジキスタン平和構築事務所を経て、平成14年9月より米国ネブラスカ大学アフガニスタン研究センターにて中間研修、現在に到る。

<表彰理由>
 外務省におけるアフガニスタンの専門家として、平成元年のソ連軍(当時)の撤退以降長期にわたり内戦が続くアフガニスタンの和平支援に携わると共に、日本の対アフガニスタン外交を側面から支えた最大の功労者の一人である。平成8年には国連アフガニスタン特別ミッション政務官に就任し、ブラヒミ国連アフガニスタン特別ミッション(UNSMA)特使の右腕として、国連による和平調停において、その能力を遺憾なく発揮した。アフガニスタンという専門分野において、外務省内外において地道に研鑽を積んできた結果、国際的にも高い評価を受けるに到るなど顕著な功績が認められる。


5.在アンカレッジ総領事   大日方 和雄(63歳)

 昭和33年度国家公務員採用初級試験合格。昭和34年外務省入省。本省においては、旅券課、政務次官室、儀典官室、領事移住政策課、領事体制強化室、在外においては、在象牙海岸共和国大、在イスタンブル総、在シドニー総、在カラチ総、在タイ大、在香港総、在英大に勤務し、平成13年3月より在アンカレッジ総領事、現在に到る。

<表彰理由>
 昭和34年の入省以来、一貫して領事部門における業務に携わり、極めて多岐に渡る領事業務の細部まで精通しているのみならず、在留邦人・任国国民の立場に立った領事サービスのあり方を、時代の変化に応じた柔軟性とバランス感覚をもって追求してきた。同人は、後進の育成にも意を用いており、周囲の職員からも人望が厚い。同人が外務本省勤務中には、初めて在外公館で領事を担当する職員に対し、領事事務の概要と心得をまとめた研修用教材を作成したほか、中堅・初任職員を対象とする領事担当官研修なども企画している。また、在英国大使館領事部長時代には、現場からの情報発信が何よりも重要であるとの認識に基づき、現地日本人会会報に「領事のつぶやき」と題するエッセイを連載した。なお、同人は領事事務に関する専門性のみならず、館務全般の運営に不可欠な指導力・管理能力を備えており、平成13年3月には、このような高い識見・能力・人柄が評価され在アンカレッジ総領事に任命されている。


6.在ニカラグア大使館 専門調査員   橋本 真弓(27歳)

 平成13年3月より専門調査員として在ニカラグア大に勤務、現在に到る。

<表彰理由>
 専門調査員として、ニカラグア経済についての調査・研究活動を誠実に行うにとどまらず、経済協力担当補佐として日本による援助の効果的な実施に貢献し、優れた語学力を活かして大使館の活動を支えている。また、平成13年11月の同国大統領選挙の際には、OAS(米州機構)国際選挙監視員として活動し、外国人監視員からも高く評価された。大使館においては、民間企業等による貿易・ビジネス・投資等に関する相談に対しても窓口となって懇切丁寧に対応している。更に、同人は専門調査員としての活発な活動を通じ幅広い人脈を構築し、現地において様々な文化活動等で活躍するなど、バイタリティにあふれた専門調査員として館員からの人望も厚い。


7.在トルコ大使館 専門調査員   小崎 圭一 (29歳)

 平成12年4月より専門調査員として在トルコ大に勤務、現在に到る。

<表彰理由>
 トルコの総選挙・新内閣の発足を始めとした内政問題や、同国のEU加盟問題等に関し、強い使命感をもって調査・研究を行い、大使館の活動を支える上で重要な貢献があったものと認められる。また、同人は専門調査員として熱心に調査・研究活動に従事しているのみならず、大使館における日々の館内会議において、その成果を的確に報告することにより、関係館員の活動に資する貴重な視点を提供しており、館員からも高い評価を得ている。更に、同人は、トルコ国会議員を含む広い人脈を有しており、平成14年11月3日の総選挙の結果、ほぼ「総入れ替え」となった新国会議員とも強い人間関係を構築するため、引き続き精力的に活動しており、専門調査員として特筆すべき活躍が認められる。


8.在コンゴー民主共和国大使館 参事官   岡本 博美(59歳)

 昭和45年度外務公務員採用中級試験合格。昭和46年外務省入省。本省においては、国際経済第一課、国際機関第二課、西欧第一課、国内広報課等、在外においては、在フランス大、在ザイール大(現在の在コンゴー(民)大)、在マダガスカル大、在ガボン大、在寿府代に勤務し、平成14年11月より在コンゴー(民)大勤務、現在に到る。

<表彰理由>
 平成3年に大使館を一次閉鎖することになったザイールの暴動時や平成9年に政権が交代する契機となったザイールの内戦に際し、銃撃が続く中、「自分は、何かあったとしても歳をとっていますから」と自ら進んで防弾チョッキを身に付け、暴徒が溢れる街中に邦人救出に向かい、情報収集や邦人保護に当たった。常に動じることなく勤務を遂行し、何れの場合も邦人の無事救出が実現した。また、館員が1名から4名へ徐々に増えていった平成6年~平成9年の間は臨時代理大使を務め、過酷な環境の中で館務の多くを自ら担い、如何なる業務も率先して行うなど、館員の模範となった。なお、同人は、既に在コンゴー(民)大には3回勤務しており、平成14年11月10日付の発令によって4回目の勤務となる。


9.在ナイジェリア大使館 一等書記官   桑山 広司(41歳)

 平成11年4月に通商産業省(当時)より外務省に出向、在ナイジェリア大に勤務、現在に到る。

<表彰理由>
 平成12年10月に自家用車を運転中に武装した車両狙い強盗団に襲撃さ れ、被弾し瀕死の重傷を負った。一時はその生命も危ぶまれ、ナイジェリアで入院、その後、日本にて手術、治療を受け、約半年間の治療とリハビリが必要となった。その際、周囲の関係者からは、生活環境が極めて厳しいナイジェリアには戻らないように薦められたが、持ち前の責任感の強さもあり、中途半端に職務を終えることに納得せず、勤務の継続を希望。その後、ナイジェリアに戻り、リハビリを続けながら職務復帰。更に、約半年の休職の影響を取り戻すために当初3年間の予定であった任期の1年延長を希望し、現在も勤務中。自らの命に関わる事件に遭遇したにもかかわらず、これを乗り越えて使命感を持って勤務を続け、大使館の活動を支える上で重要な貢献をしているものと認められる。


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