ODAとは? 援助政策

ミレニアム・プロジェクト報告書
(開発への投資:MDGs達成のための現実的な計画)
(概要)

平成17年1月18日

1.報告書の構成

 報告書は、4章の概要と10のタスクフォースが作成した13の各論報告書からなる。

(第1章)MDGsの重要性と達成に向けた困難
 MDGsは、国際的な開発政策であるとともに、生産的な生活のための手段を提供し、世界の安全保障を支えるもの。達成に向けていまだ道半ば。達成の鍵は、適切な人的資本、基礎インフラへのアクセス及び良い統治。達成を阻む要因は、脆弱なガバナンス、貧困の罠、局所的な貧困、政策的な無視。

(第2章)達成に向けた各国毎のプロセス
 MDGs達成の一義的責任は途上国が負うが、ODAの大幅な増額も必要。各途上国はMDGsに依拠した貧困削減戦略を策定すべき。また、「クイック・ウィン」行動(授業料・基礎健康サービス料金の廃止、肥料の支給、学校給食、蚊帳の支給、エイズ・マラリア・結核に有効な薬剤使用の拡大等)を開始すべき。MDGs達成のための開発分野は相互に依存。スケーリング・アップに向け、政治的リーダーシップに基づく具体的な行動が必要。ガバナンスの脆弱性は、腐敗政権と資金・技術の不足が2つの要因。最貧国の多くは後者。

(第3章)国際的なシステムに向けた提言
 今日の援助システムが抱える問題として、MDGsに基づいていないこと、国別のニーズに対応していないこと、短期的な援助となっていること、技術支援が不適切なこと、国際機関の調整が不十分なこと、債務削減がMDGsと関連づけられていないこと等が挙げられる。貿易については、ドーハ・ラウンドの実現に向けて、相当に野心的な取組が必要。インフラ整備、国境を越える環境問題、経済面での協力推進、地域対話・コンセンサス形成のための政治協力といった地域公共財の供給を国際的に支援し、MDGsに依拠した貧困削減戦略に組み込むべき。科学技術、気候変動も開発における主要課題。
 「ファスト・トラック国」の特定、MDGsに依拠した貧困削減戦略の策定、グローバルな人材育成支援を2005年中に開始し、3年計画で「クイック・ウィン」行動を開始すべき。また、中所得国をドナーに取り込むことが有益。

(第4章)MDGs達成のためのコストと便益
 資金ギャップを埋めるため、先進国の対GNP比0.44%(2006年:1350億ドル)、0.54%(2015年:1950億ドル)のODAが必要。MDGs達成のためのODAを最低0.5%に倍増し、MDGs以外の資金を勘案すれば0.7%を達成すべき。英のIFF提案は、ODAを早期に増額させるという観点からは最も進んでいる。MDGs達成は貧困撲滅の通過点であり、貧困国のGDPの10-20%相当の援助が2025年まで必要。ハイレベル委員会勧告のように、安保理常任理事国入りを目指すような国は、2015年までに0.7%目標を達成するというコミットメントを果たす用意があってしかるべき。モンテレイ合意の精神に則り、改革や良い政策を進める途上国に、先進国は援助量を増大させるべき。

2.10の提言

 報告書の冒頭には、提言をまとめた「10の提言」を記載。

(1) 全途上国が「MDGsに基づく貧困削減戦略」を2006年までに策定することを勧告。
(2) 同戦略は、1)公的投資、キャパシティ・ビィルディング、国内資金動員、ODAの増大を促し、2)ガバナンス強化、人権促進、市民社会と民間部門の関与強化の枠組みを提供。
(3) 途上国は同戦略の策定・実施に際して、市民社会、国内民間セクター及び国際パートナーと緊密に協力し、透明かつ包括的なプロセスをとるべき。
(4) 良い統治と援助吸収力を有する多数の国があることに鑑み、ドナーはODAを急増させる10程度の「ファスト・トラック」国を2005年中に選定すべき。
(5) 先進国と途上国は共同で「クイック・ウィン」行動(蚊帳の配布、授業料の撤廃、エイズ対策、学校給食、農薬供与等)グループを立ち上げるとともに、コミュニティ・レベルの知見を積み上げる努力を開始すべき。
(6) 途上国は国家戦略をNEPAD等の地域イニシアティブに整合させ、地域機関等は地域プロジェクトへの直接的な援助をより多く受け取るべき。
(7) 高収入国は、MDGsに関連するODAの対GNP比を2006年に0.44%、2015年には0.54%に増やし、その質も高めるべき。各ドナーは2015年までに0.7%目標を達成すべき。債務救済はより拡充すべき。
(8) 高収入国はドーハ・ラウンドで市場開放し、貿易関連インフラ整備に協力してLDCsの競争力強化をサポート。同ラウンドはドーハ開発アジェンダを実現し2006年中に終了すべき。
(9) 国際ドナーはグローバルな研究・開発への支援を保健、農業、天然資源、環境、エネルギー、環境等の分野で動員すべき。
(10) 国連事務総長と国連開発グループ(UNDG)は、MDGsを推進するため、国連機関間の本部及び現場における調整を強化すべき。国連の国別チームは強化され、国際金融機関と緊密に協力すべき。

3.注目すべき点

  • 中間報告を大幅に改訂。依然として開発資金増額に焦点があるが、バランスは改善。
  • MDGsとの関連で期限を設定した短期的かつ具体的要請が多い。特に、国や分野を 限定し、集中的な資金投下を提案。
  • 中間報告で0.7%目標への「努力不足」を指摘された日米独への個別言及はなし。
  • 安保理改革との関連では、ハイレベル委員会報告書を支持し、安保理常任理事国入りを求める先進国については、0.7%目標を達成すべきとの記述がある。
  • 革新的資金メカニズムとしてIFF(英が提唱するODAの前倒し策)に言及する一報、仏等が主張する国際税の導入については言及なし。
  • 2015年以降も資金投入が必要であることを認めている。

4.今後の段取り

  • 1月25日:本件報告書に関する総会報告及び質疑応答
  • 2月10日:総会での意見交換
  • 3月中旬頃:首脳会合へ向けた事務総長報告発出
    (含、開発、国連改革、平和と安全等)
  • 6月27日~28日:開発資金ハイレベル対話
  • 9月14日~16日:ミレニアム宣言に関する首脳会合
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