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西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)

平成23年11月

1.名称(西アフリカ諸国経済共同体)

英:Economic Community of West African States(ECOWAS)
仏:Communauté Economique des Etats de l'Afrique de l'Ouest(CEDEAO)

2. 設立経緯及び沿革

1963年:「西アフリカ産業協力ラゴス会議」(国連アフリカ経済委員会(ECA)後援)において、西アフリカ地域経済協力のための常設機関設立に向けた、暫定機関設立につき合意。

1968年:共同市場を目指した西アフリカ地域グループ結成(しかし経済共同体設立構想は、その後、ナイジェリア内戦等により進展が遅れた)。

1975年5月28日:西アフリカ諸国経済共同体設立協定正式合意(於:ラゴス)。

3. 設立目的及び任務

1975年(設立当初):西アフリカの域内経済統合を推進する準地域機関

1981年:「防衛相互援助に関する議定書」調印

1998年:「紛争予防・管理・解決・平和維持・安全保障メカニズム」規約採択

4. 加盟・脱退

 原加盟国は西アフリカ15ヶ国。現在の加盟国15ヶ国(ベナン、ブルキナファソ、カーボヴェルデ、コートジボワール、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、トーゴ)。

(注)カーボ・ベルデが新規加盟(1977年)。モーリタニアが通貨統合等に反対して脱退(2000年12月)。

5. 組織

(1)委員会(Commission):アブジャ(ナイジェリア)。2007年1月の首脳会合において事務局(Secretariat)から改編。委員長(President)、副委員長(Vice-President)及び7名の委員(Commissioners、行財政担当委員、貿易・関税・産業・人の自由移動担当委員、農業・環境・水資源担当委員、インフラ担当委員、マクロ経済政策担当委員、政治・安全保障担当委員、人間開発・ジェンダー担当委員)からなる。

(2)委員長(Commissioner):ジェームズ・ビクター・ベホ(ガーナ人)(H.E. Ambassador James Victor Gbeho)。2010年2月、第37回ECOWAS首脳年次会議にてECOWAS委員長に選出され、同年3月に就任。

(3)最高意思決定機関:首脳会議。議長は、2009年1月よりナイジェリア大統領が就任(2008年12月の首脳会議で選出、任期2年)。

(4)その他:

(イ)閣僚会議(年2回)、防衛会議、参謀総長会議、専門家委員会(貿易関税、工業農業天然資源、運輸通信エネルギー、社会文化)。さらに、調停・安全保障理事会及び防衛・安全保障委員会が発足。

(ロ)共同体議会(Community Parliament)(年2回):各加盟国よりの選出議員115名で構成。2000年11月設立(諮問機関として、2001年1月より機能開始)。

(ハ)ECOWAS投資開発銀行(EBID):ECOWAS協力保障開発基金(通称ECOWAS基金。本部:ロメ)より改編。また、下部組織として、投資地域銀行(BRIC)及び開発地域基金(FRDC)の設立が2001年の首脳会議で決定された。

(注)分割改編は既に1999年12月に決定され、2001年6月より活動開始予定であった。投資開発銀行創設議定書の批准国は、現在12ヶ国。

(ニ)共同体裁判所(Community Court of Justice):1991年に設立が決定され、1993年のECOWAS改定議定書により設置。2005年にECOWAS設立30周年を契機に改編。ECOWAS改定議定書の解釈等にかかる加盟国間の係争に介入。

6. 財政

(1)加盟各国からの拠出金をもとに運営されているが、多額の滞納金あり。右対策として、域外貿易への共同体課徴金を2003年7月より導入開始。

(2)加盟国分担金の他、主要国及び国際機関等による支援(事務局経費、経済開発及び紛争解決・安全保障分野等)。

7. 活動及び事業内容

(1)政治的安定の確保

(イ)停戦監視グループ(ECOMOG:ECOWAS Monitoring Group):

  • 1990年より、紛争を抱える域内諸国(リベリア、シエラレオネ、及びギニアビサウ)にて平和維持活動を実施(ナイジェリア軍を中心にアド・ホック・ベースで組織)。国際社会より高い評価を受けてきた。
  • 1999年の「紛争予防・管理・解決・平和維持・安全保障メカニズム」(下記参照)議定書採択により、右議定書の下でのECOWAS待機部隊(文民、軍隊、準軍事組織を含む)としての法的立場を確立。国際社会からの支援も受け、関連活動を活発化。

(ロ)紛争予防・管理・解決・平和維持・安全保障メカニズム(Mechanism for Conflict Prevention, Management, Resolution, Peace-keeping and Security):

  • 1998年に規約、1999年に議定書を採択、暫定的に発効。現在までの批准国は、マリ、シエラレオネ、ブルキナファソの3ヶ国のみ。未批准諸国に対し早期批准を促している。
  • 調停・安全保障理事会(首脳・閣僚・大使級。首脳会議で選ばれる7ヶ国および現議長国および前議長国で構成)の他、補助機関として、(i)防衛・安全保障委員会(各国軍参謀長および外交当局、治安機関代表による合議体で、技術的助言を与える)、(ii)長老会議(2001年1月、32名の域内各国の著名人を得て発足。任期1年。予防外交の実施や選挙監視活動)、(iii)ECOMOG(各国が平和維持活動のために部隊を指定し、各国の責任で所要の訓練を実施し出動に備える待機部隊)により構成。また、紛争監視センターを域内4箇所に設置(早期警戒情報の収集・分析等)。
  • 同メカニズム議定書に基づき、2001年の首脳会議では、汚職防止及び民主主義とグッド・ガヴァナンスに関する追加議定書を採択。
  • 同メカニズム議定書に基づき、2004年4月に第一回ECOWAS諸国治安関係者会合が開催され、越境犯罪の撲滅に向けた域内協力促進のための地域安全保障情報センターの設置、及び行動計画作成のための小委員会の設置等につき合意。
  • 2002年9月に発生したコートジボワールの騒擾については、2003年1月に合意されたマルクーシ協定に基づき、ECOWAS平和維持ミッション(ECOMICI/MICECI)を派遣。2003年4月の調停・安全保障理事会閣僚級会合(我が国拠出金により開催)において、増員承認。2003年6月末、国連安保理決議1479号に基づく、国連コートジボワール・ミッション(MINUCI)がコートジボワールに到着。2004年4月、国連安保理決議1528号を受けて、国連コートジボワール活動(UNOCI)に権限委譲。
  • ECOWASはリベリア国際コンタクト・グループ(ICGL)を結成し、議長国ガーナを中心に、2003年6月のリベリア和平円卓会議の開催(我が国より開催経費一部支援)等、リベリア情勢の打開に向けて積極的に活動。2003年8月、ECOWASを含む多国籍軍の設立や国際安定化部隊の派遣等に関する国連安保理決議1497の採択を受けて、3,500人規模のECOWAS平和維持軍(ECOMIL)の先遣隊として、ナイジェリア兵300人をリベリアへ派遣。また2003年9月の国連リベリア・ミッション(UNMIL)の設立に関する国連安保理決議1509を受けて、同年10月1日以降ECOMIL軍はUNMIL部隊(国連PKO)に吸収。その他、ECOWAS事務局長特別代表を派遣。
  • 現在、紛争予防、調停、平和維持活動、復興支援等、域内の平和構築活動に幅広く対応するための「ECOWAS平和基金(ECOWAS Peace Fund)」の運用モダリティを作成中。

(ハ)ECOWAS待機軍(ECOWAS Standby Force

  • 西アフリカ地域内及び加盟国内でテロ、環境に対する危機を含む平和と安全保障に対する脅威が認められた場合、地域の平和と安定を図るため、加盟国の合意により30日以内に設置、展開することを目的としてECOWAS加盟国から提供された軍、文民部門によって構成される待機部隊。
  • 監視、平和維持及び治安の回復、人道支援、制裁発動、汚職等を含む事案に対する警備活動、平和構築及び武装解除、予防措置発動等をミッションとし、緊急展開任務部隊(タスクフォース)1500名及び旅団本隊5000名の合計6500名規模によって設置されることが目指されている。

(ニ)ECOWAS小型武器条約(ECOWAS Convention on Small Arms and Light Weapons, Their Ammunition and Other Related Materials

  • ECOWAS は域内に蔓延する小型武器への取組を進めており、2006年6月の首脳会議では、従来の取組の中心であった「ECOWAS 小型武器製造輸出入モラトリアム」を国際協定化した「ECOWAS 小型武器条約(ECOWAS Convention on Small Arms and Light Weapons, Their Ammunition and Other Related Materials)」が署名された。同条約は2009年9月に発効し、現在は実施に向けた具体的な行動計画を策定中。
  • 域内における小型武器問題対策強化のため、UNDP の支援のもと「ECOWAS 小型武器管理プログラム(ECOSAP)」を2006年6月〜2011年5月にかけて実施中。

(2)経済統合の推進

 1999年以降、以下を含む諸プログラムを決定・推進し、活動を再活性化。特にEUが関連諸事業を支援(ロメ協定に基づき、会議・見本市の開催、共通インフラの整備等)。2003年4月には、EU-ECOWAS経済パートナーシップ合意。

(イ)域内統一通貨統合(ECO)の実現(現時点では、2015年までに西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)加盟国を除くと、ECOWAS加盟国においてECOを導入し、2020年までに全加盟国においてECOを導入するという、段階的な導入を計画中。)

(ロ)自由貿易プログラムの推進

(ハ)共同体裁判所や共同体議会の設立

(ニ)共通旅券の発行

(ホ)共同体課徴金の導入

(3)NEPADへの取り組み

 2002年5月、西アフリカにおけるNEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)の実施機関としてのマンデートを付与されたため、アフリカ開発銀行との協力の下、域内インフラ整備短期行動計画および事務局キャパシティ・ビルディング短期行動計画を作成し、ドナー諸国に協力を呼びかけている。

8. 我が国との関係

(1)我が国はこれまで国連機関(UNHCR、UNICEF、WFP)等への拠出、加盟各国への開発援助等を通じてECOWASに対する間接的な支援を行ってきた。

(2)2000年度より、ECOWAS事務局に対して以下の直接拠出を行っている。

(イ)2000年度(10万ドル):人身売買と汚職に関する専門家会合開催費支援。

(ロ)2001年度(10万ドル):コートジボワール情勢調停に関わるECOWAS調停・安全保障理事会の会合開催費支援(2003年3月、同年4月、2004年2月)。ECOWAS事務局紛争監視センター情勢監視室の備品整備。

(ハ)2002年度(10万ドル):リベリア和平円卓会議開催費一部支援。

(ニ)2003年度(7万ドル):ECOWAS調停者のリベリア派遣費支援。

(ホ)2004年度(5万ドル):ECOWAS調停者のリベリア派遣費支援。

(へ)2005年度(5万ドル):ECOWAS緊急対策チームへの車輌(1台)及び域内調査費支援。

(ト)2006年度(4万3,784ドル):セネガル大統領選挙へのECOWAS選挙監視団派遣費支援予定。

(チ)2007年度(3万4,926ドル):ECOWAS事務局平和維持・地域安全局幹部のマリ、カーボヴェルデ、セネガル・ギニア治安関係機関との意見交換等。

(リ)2008年度(3万3,833ドル):ECOWAS平和支援活動部門のためのレベル2病院への機材供与。

(ヌ)2009年度(3万3,833ドル):ECOWASギニア情勢に係る調停活動支援。

(ス)2010年度(6万ドル):ギニアにおける麻薬対策省庁間調整委員会能力強化のための支援。

(3)人的交流(肩書きはいずれも当時のもの)

(イ)1999年2月:クヤテ事務局長が招待訪日。

(ロ)2000年3月:アーメッド法務局次長が訪日。国際シンポジウム「アフリカ紛争予防解決における準地域機関とNGOの役割」に出席。

(ハ)2000年5月:野川中近東アフリカ局参事官が「紛争被災児童に関するECOWAS閣僚会議」(於ガーナ)に参加。ECOWAS事務局長とも会談。

(ニ)2001年3月:アーメッド法務局次長が招待訪日。

(ホ)2003年9月:チャンバス事務局長が訪日。TICAD IIIに出席。

(ヘ)2004年1月:イヘメ紛争監視センター部長が招待訪日。

(ト)2004年3月:チャンバス事務局長が招待訪日。

(チ)2006年12月:小田部アフリカ審議官がECOWAS事務局訪問。

(リ)2008年5月:チャンバス委員長が訪日(TICADW)。

(4)2011年9月20日、我が国は、庄司隆一駐ナイジェリア大使をECOWASに対する我が国常駐代表に任命した。

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