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ASEAN統合イニシアティブ(IAI)について
平成17年6月
1.経緯
ASEAN統合イニシアティブ(Initiative for ASEAN Integration : IAI)は、ASEAN域内の格差を是正し(具体的には原加盟6ヶ国と後発CLMV諸国との開発ギャップを是正)、ASEANの地域的競争力を高めることを目的として、2000年11月の第4回ASEAN非公式首脳会議において立ち上げが合意された協力枠組み。同首脳会議で議長を務めたシンガポールのゴー・チョクトン首相より提起され、その場でASEAN首脳の合意を得、議長ステートメントにも盛り込まれた。
2.目的
ASEAN域内開発格差を是正し、ASEANの地域的競争力を高める。
3.内容
- ASEANが既に実施してきている新旧加盟国間の開発格差是正のための様々なイニシアティブを包含するコンセプトとされており、ASEANとしては、長期プロセスであるIAIを進める上で、人材育成(HRD)、情報通信技術(ICT)及びインフラの3分野に重点を置くことにつき合意。その後、2001年7月のASEAN拡大外相会議の際に発出された「より緊密なASEAN統合のための開発格差是正に関するハノイ宣言」において上記3分野に加え地域経済統合(REI)も重点分野に追加された。
- ビエンチャン行動プログラム(VAP)採択後は、ASEAN経済共同体実現というゴールに向けた、域内開発格差是正のための具体的施策として、VAPと並んでIAIの推進が重要視されている。
4.進捗状況
- ASEANは、2001年2月、IAIについて検討するためのIAIタスクフォース(Task Force on IAI)を設置。また、同タスクフォースの提言に基づいて、2回(2001年11月於:カンボディア、2002年4月於:ラオス)にわたる「IAIワークショップ」を開催(我が国は、日・ASEAN総合交流基金(JAGEF)により、本ワークショップの開催経費を支援)。
- 過去2回のワークショップを経て、2002年8月にジャカルタでIAI開発協力フォーラム(IDCF)が行われ、我が国を含むドナーに対して44のプロジェクト・プログラム案が提示された。
- 経済社会状況の変化に鑑み、CLMV以外の低開発地域も、IAIの対象とすることがIAIタスクフォースにて検討されている。
- IAIプロジェクトは2002年7月から2008年6月までの6ヶ年作業計画(work plan)であり、2005年5月に中間の3年を経過することになるところ、2005年1月のIAIタスクフォース会合において、中間報告の作成と、同年7月のASEAN外相会議への提出に合意。
- 平成17年5月15日現在、IAIワークプランには100件のプロジェクトが登録されている。
5.我が国の協力
- 2003年10月のASEAN+3首脳会議において、小泉総理より、JAGEFを通じ、CLMV諸国向けの運輸・エネルギー分野の6案件総額約50万ドルのIAIプロジェクトに協力することを表明。
- 2003年12月に開催された日・ASEAN特別首脳会議において、東京宣言及びその行動計画にてASEANの統合を強化する協力の一つとしてIAIに重点を置くことが盛り込まれた(参考参照)。
- 2004年5月のIAIタスクフォース会合で、マレーシア政府とJICAマレーシア事務所の協力によるプロジェクトである灌漑システム管理及び環境保護に関する2案件がIAIプロジェクトとして認定された。同タスクフォース会合では、厚生労働省の労使関係及び職業能力開発人材養成の2案件がIAI案件として認定されている。同年6月に、JAGEFを通じ同分野の3案件総額52.3万ドルのIAIプロジェクトに協力することを決定。また、同年10月には、「CLMV若手外交官のASEAN事務局における研修」事業が、IAIタスクフォース会合においてIAI事業として認定された(総額約100万ドル)。更に同年12月には、IAIの人材育成分野である「ラオス、ミャンマー、ベトナムにおける公務員のためのキャパシティ・ビルディング・プログラム」事業について約100万ドルの支援を決定した。そのほか、日・ASEAN連帯基金を通じ、職業教育・訓練のIAIプロジェクトに約10万ドルの支援を行っている。
(参考)東京宣言及び行動計画のIAI関連部分
○東京宣言
2.(2)の第2段落
- 協力を強化し、諸事業、特にASEAN統合イニシアティブ(IAI)の下での事業の実施によるASEANの統合という目標の実現を支援する。
○行動計画
- この点に関し、日本は、ASEANとの協力において次の分野に重点を置くこととする。
a.ASEANの統合を強化するための協力
(特に、ASEAN統合イニシアティブ(IAI)、メコン地域開発・・・)
- B.1.ASEAN統合イニシアティブ(IAI)
地域統合を促進するために、ASEANにおける開発格差を是正するIAIの実現並びにその他の地域及び小地域による努力への支援を強化する。この観点から、日本は以下の措置をとる。
a.日・ASEAN連帯基金を通じた人材育成分野のIAIプロジェクト支援に加え、人材育成プロジェクト並びにハード及びインフラ開発、ICT及び地域経済統合等のその他の分野におけるIAIプロジェクトの実施を引き続き支援する。
b.カンボジア、ラオス、ミャンマー及びベトナム(CLMV諸国)を支援するために、国際協力機構(JICA)の技術協力スキーム、特に第三国研修事業を活用する。
c.2004年度より、フィリピン、インドネシア、タイ及びマレーシアと協力して、CLMV諸国のための人材育成制度の強化に関するセミナーを開催する。
d.シンガポールと協力して、CLMV諸国のための現地国内研修コースを引き続き実施する。
e.労使関係に関するプログラムのためのASEANへの支援を行う。
f.ASEANの貧困な州及び都市が貧困軽減のためのベストプラクティスを共有し、貧困軽減プログラム実施のための資金を動員するプラットフォームを提供する。ASEAN知事会議開催というASEANのイニシアティブを支持する。
- 2.メコン地域開発
日本とASEANは、包括的なメコン地域開発のために、以下の行動を共同でとる。
d.日本とASEANは、IAI及び「経済協力戦略」といったASEAN諸国のイニシアティブの支援における協力を強化する。