松島みどり外務大臣政務官は、1月9日(マナグア着)~17日(成田着)の日程でニカラグア、メキシコ、パナマを訪問したところ概要以下のとおり。

| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 1月9日(火曜日) | マナグア着 サントス・ニカラグア新外相との会談 カルデラ・ニカラグア前外相との会談 大統領就任式信任状捧呈 |
| 1月10日(水曜日) | 大統領就任式典出席 オルテガ・ニカラグア新大統領への挨拶 モラレス・ニカラグア新副大統領との会談 |
| 1月11日(木曜日) | メキシコシティ着 |
| 1月12日(金曜日) | レイセギ・メキシコ経済次官との会談 アランダ・メキシコ外務次官との会談 |
| 1月13日(土曜日) | パナマシティ着 |
| 1月14日(日曜日) | ドゥラン・パナマ外相代行との会談 パナマ運河視察 |
| 1月15日(月曜日) | ベルガラ・パナマ商工省通商次官との会談 バスケス・パナマ運河担当大臣との会談 |
| 1月17日(水曜日) | 成田着 |
今回の訪問は1月10日に行われたオルテガ・ニカラグア共和国大統領就任式典に我が国特派大使として参列し、新政府要人との会談を通じ、両国の友好協力関係を確認・強化することを目的とするものであった。
サントス外相との会談
(ニカラグア)
オルテガ大統領への挨拶
(ニカラグア)
モラレス副大統領との会談
(ニカラグア)
(1)大統領就任式
(イ)大統領就任式典
10日、大統領就任式典は午後4時より開始予定であったが、同日カラカスで再選就任式を終えたチャベス・ベネズエラ大統領のニカラグアへの到着を待ったため、1時間半遅れで開始された。式典会場は屋外であったため、元首をはじめとした各国要人は炎天下の暑い中を待つこととなったが、この間に、松島政務官はオルテガ大統領をはじめモラレス・ボリビア大統領、フェリペ・スペイン皇太子等と挨拶を交わした。
(ロ)大統領就任演説
大統領就任式典では、オルテガ大統領による宣誓等の儀式が速やかに行われ、式典終了後、会場を「祈りの広場」に移し、午後9時半からオルテガ大統領による就任演説が行われた。松島政務官は、サンディニスタの象徴である赤色の旗を多数振る25万人にのぼるニカラグア一般市民と共に、この就任演説を聴いた。
(ハ)オルテガ大統領への表敬
就任演説の後、オルテガ大統領は、各国使節団の長による個別表敬を受けた。午後11時過ぎより行われた松島政務官によるオルテガ大統領への表敬は、参加国使節団(65カ国)のうち、国家元首級を除き最初であった。
松島政務官は、大統領就任の祝辞を述べ、貧困削減などの社会政策に積極的に取り組み、ニカラグアの発展が図られることを期待する旨述べた。これに対し、オルテガ大統領は、これまでの我が国の多大な協力への謝意を表明し、日本との友好協力関係の維持を確認した。
(ニ)夕食会
オルテガ大統領への表敬の後、松島政務官は、大統領就任式当日の最後の行事として、午後11時30から翌11日午前1時半まで、サルボ前ニカラグア農牧大臣、セケイラ国会議員(ニカラグア自由同盟)、アルバラード元副大統領候補(立憲自由党)等のニカラグア要人との夕食会に出席した。
(2)その他(要人との会談等)
(イ)信任状捧呈式とカルデラ外相との会談
松島政務官は、大統領就任式典参列に先立ち9日、カルデラ前外相に信任状の捧呈を行った。
カルデラ前外相との会談では、国連の安全保障理事会改革、捕鯨問題及び北朝鮮問題等について、ニカラグアが我が国の立場を積極的に支持してきたことに対する謝意を表明した。カルデラ前外相は、ボラーニョス大統領政権下における我が国の協力と支援に対する謝意を表明した。
(ロ)モラレス副大統領との会談
(a)モラレス副大統領は、同国の社会発展に我が国の協力が大きく貢献しているとして高く評価し、我が国が行った債権放棄(2005年実施。129億円)に対する謝意を表明した。加えて、貧困削減に努め、経済活動を活発化させ、安定した国家を目指す決意を述べた。
(b)松島政務官は、我が国の経験を手本として、平和、民主主義定着のプロセスの中でニカラグアが発展することへの期待を表明した。
(c)松島政務官より、北朝鮮の核開発及び拉致問題について説明し協力を要請したところ、モラレス副大統領は問題解決に向けての協力を約した。
(d)また、松島政務官より、捕鯨問題に関し、我が国の立場への支持が維持されるよう求めたところ、モラレス副大統領は協力を約した。
(ハ)サントス新外相との会談
(a)松島政務官は、安倍総理のオルテガ大統領宛親書を手交しつつ、民主主義及び自由主義といった両国間共通の価値観を基礎とした協力関係を維持し、さらに、2005年に日本・中米首脳会談で採択された「東京宣言」「行動計画」の実施を通じた日本と中米関係の緊密化を求めた。
(b)松島政務官より、北朝鮮の核開発及び拉致問題について説明し協力を要請したところ、サントス外相は拉致問題の早期解決を目指して協力することを約束した。また、松島政務官は国連安保理改革や国際捕鯨委員会での協力関係の維持を働きかけた。
今回の訪問は、昨年12月に新政権が発足したメキシコとの政治レベルでの関係構築、及び、日墨経済連携協定(EPA)発効後緊密化している経済関係をはじめ、幅広い分野で進展している日墨関係全般について意見交換することを目的とするものであった。
(1)アランダ外務次官との会談
(イ)松島政務官より、日墨経済連携協定(EPA)は、両国の貿易・投資関係を拡大する等、成功であった旨述べた。これに対し、アランダ次官よりも日墨EPAの効果ははっきりと数値に表れている旨述べた。
(ロ)アランダ次官より、昨年12月の大統領就任式の際に中川秀直特派大使が派遣されたことに対し感謝の意を表し、ハイレベルでの政治対話を継続したいとして、安倍総理によるメキシコへの訪問を要請した。
(ハ)松島政務官より、APECの加盟国である両国は、太平洋を挟んだ重要なパートナーである旨強調しつつ、今後、メキシコに対し国連改革についても新たな提案を行っていきたい旨述べた。また、北朝鮮問題は我が国にとって大きな課題であるとして、拉致問題の状況を説明し、同問題への理解と協力を求めた。
(二)これに対し、アランダ次官より、メキシコは北朝鮮の核実験の際にも非難声明を出している旨述べ、人権理事会においても、日墨間で緊密に協力、対話を行っていきたい旨表明した。
(2)レイセギ経済省国際経済交渉担当次官との会談
予定されていたソホ経済大臣との会合は、メキシコ人の主食トルティーリャの値上げに関する閣僚会議が急遽開催されたため、同次官との会談に変更となった。
(イ)松島政務官より、日墨EPAの締結・発効後の日墨間の貿易・投資関係の拡大を始め、日墨経済関係は目覚ましい発展を遂げており、日墨EPAは経済連携の先例となる重要な成功例である旨説明、これに対し、レイセギ次官より、メキシコとしても日墨EPAを成功例と評価している旨述べた。
(ロ)松島政務官より、日墨EPAの具体的な成果として、日系企業の投資の拡大やメキシコの政府調達の受注例等を挙げつつ、日系企業の進出を通じて日本の技術がメキシコのインフラ整備に貢献できることは喜ばしい旨述べた。これに対し、レイセギ次官は、日本からの投資を歓迎するとして、中小企業支援政策等の面において日本の経験を参考にしたい旨述べた。
(ハ)松島政務官より、日本の企業が進出しやすいビジネス環境を整えることが重要であり、治安改善、知的財産権の保護等の対策についてメキシコ政府の取り組みの強化を要請した。
今回の訪問は、パナマに対し、パナマ運河拡張計画への官民の関心が高いことを伝達するとともに、安保理非常任理事国に就任した同国に対し、協力を要請することを主な目的としていた。

バスケス運河担当大臣(右)との会談(パナマ)
(1)ドゥラン外務大臣代行との会談
(イ)松島政務官から、パナマ運河拡張計画が国民投票で承認されたことへの祝意を表し、日本企業参画への期待を表明した。また、通航料の引き上げについては、ユーザーに配慮し、合理的な料金設定を行うよう要請した。
(ロ)これに対し、ドゥラン外相代行より、日本企業参画を歓迎する、通航料については、細心の注意を払う旨述べた。
(ハ)国連安保理に関し、松島政務官より、パナマの非常任理事国就任を祝しつつ、北朝鮮の核開発及び拉致問題は安保理の懸案事項であるとして、協力を求めた。ドゥラン外相代行は、日本の懸念を共有するとして、協力を約した。
(二)その他、パナマ運河建設に貢献した青山士(あおやまあきら)技師についてのやりとりがあった。
(2)ベルガラ商工省通商次官との会談
(イ)松島政務官より、米・パナマFTA交渉妥結への祝意を表し、パナマ運河拡張計画、石油精製所・パイプライン建設等、パナマの経済発展に日本は貢献できると考える旨述べた。これに対し、ベルガラ通商次官より、パナマ運河拡張計画への日本企業参画への期待、その他のプロジェクトへの日本企業の関心を歓迎する旨述べた。
(ロ)松島政務官より、観光促進を慫慂したところ、ベルガラ通商次官は、日本人観光客誘致策につき一緒に考えていきたい旨応じた。
(3)バスケス運河担当大臣
松島政務官より、運河拡張計画への日本企業参画への期待を表明し、価格のみならず、納期の遵守、アフターサービス等も含め総合力を評価すべきである旨求めた。これに対し、バスケス大臣は、透明・公平な入札を約した。
(4)松島政務官は、太平洋側にあるミラフローレス閘門と大西洋海側にあるガツン閘門を中心にパナマ運河を視察し、ガツン閘門のコントロールタワーではマイターゲートの開閉操作を行った。運河博物館においては、パナマ運河建設に参加し、後に荒川用水の岩淵水門を設計した青山士技師に関する展示物の視察等を通じ見識を深めた。また、故大平元総理の胸像等の視察を行った。