2010年10月
ベラルーシ共和国(ミンスク市)(国際電話国番号375)
大陸性気候で冬季の寒さが厳しい土地柄です。衛生事情は比較的良く、ミンスク市内で生活するのであれば、いわゆる伝染病の心配は少ないと思われますが、蟯虫病等の寄生虫感染や梅毒などの性病、結核、A型肝炎、赤痢、サルモネラ等が他の周辺諸国に比べて多く発生しています。
1986年に隣国ウクライナで発生したチェルノブイリ原子力発電所事故の影響は依然大きく、農畜産物の販売はどこから入荷されたか、安全性はどうかの確認など国家当局による検査 を通過したもののみに限るということになっています。この措置はスーパーやデパートのような販売店だけでなく、一般的に市民が利用する市場においても同様に行われています。ベラルーシ国民はあまり納入先にこだわらないようで、売り手との会話の中でどこから持ってきたのか確認する程度のようです。市場にはガ イガーカウンター(放射線線量計)が置いてありますがあまり使われている形跡はありません。
ロシア春夏脳炎(ダニ脳炎)は公式発表では希とされていますが、ポーランドとの国境付近では患者数が多い様子です。水道水については、病原体の混入、配管の老朽化による鉛汚染等の危険性を否定しきれません。
外国人に対する強制医療保険制度があります。原則として入国時に加入する必要があり、ベラルーシに滞在する外国人は右保険証の携行が義務づけられています。しかし、当国の医療機関の質を考慮した場合、万が一の病気やケガで高度な治療が必要な場合は、西ヨーロッパや日本へ移送を要することも考えられ、移送には高額な費用が必要となるため、海外旅行者保険への加入をお勧めいたします。
冬季の上気道感染はもちろんですが、食中毒(感染性腸炎)、A型肝炎等に罹患の可能性があります。この他にもB型肝炎、結核、ダニ脳炎等の危険性が存在します。
気温は内陸性のため寒暖の差が激しく、また冬場は空気が極めて乾燥するので、風邪や呼吸器の感染症に罹りやすく、予防として、外出から帰った際のうがいが重要です。
冬は雪や凍結で路面が滑りやすく、転倒にはくれぐれも注意が必要です。靴底が滑りにくい加工のされた靴の着用をお勧めいたします。
風土病として、マダニが媒介するダニ脳炎やライム病があります。ダニ脳炎はウィルス性脳炎で、主に中央ヨーロッパから北欧、旧ソ連地区に広がる風土病です。ベラルーシ国内ではダニ脳炎等の調査があまり行われておらず実態は不明ですが、ポーランドとの国境地帯の一部などで感染する可能性があるようです。基本的にはまれな感染症と考えられていますが、診断技術の進歩にともない、感染者の数は増加していると考えられています。
最も大事なことは、マダニに咬まれないようにすることで、これらの地域で森林などに入る場合は長袖、長ズボン、帽子を被るなどし、肌を露出しないことが 大事です。最も有効な予防法としては不活化ワクチンの接種があり、通常3回の接種で4〜5年有効です。感染の危険地域での山歩きやハイキングなど野外活動の好きな方には接種をお勧めします。このワクチンは当地のクリニックで接種が可能です。
(1)気道の感染を防ぐ上では、普段外出から戻った際の手洗いとうがいが重要です。また、気道が敏感な方は加湿器も上気道感染の予防の上で有用です。
(2)食中毒の予防として飲食物への一般的な注意を守って下さい。
(3)放射能汚染の心配は完全には否定できません。汚染が蓄積ないし凝縮されやすいキノコ、苺、畜産製品等は外国産の安全な品物を選びましょう。また(特に)小児は普段からヨウ素の含量が多い昆布等海草類を摂取することで、甲状腺癌の予防効果が期待出来ます。
(4)皮膚が敏感な方は、入浴後にクリームやローションで保湿し、皮膚の乾燥を防ぐことが重要です。
(5)当国の医療機関の信頼性の問題から、出来れば年一回は日本で人間ドックを受け、病気の予防を心がけることが大切です。
成人〜ベラルーシで義務付けているものはありません。しかし、A・B型肝炎及び破傷風の予防接種をすることが望ましいと考えます。
小児〜基本的に日本での予防接種で可。他にB型肝炎の予防接種をすることをお勧めします。
| BCG | DTP三種混合 (ジフテリア、破傷風、百日咳) |
ポリオ | Hib (ヘモフィルス・インフルエンザb菌) |
MMR (麻疹、おたふく、風疹) |
A型肝炎 | B型肝炎 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 3〜5日 | 3ヶ月(DTwP) | 3ヶ月(IPV) | 3ヶ月 | 1歳 | 6歳 | 出生直後 |
| 2回目 | 7歳 | 4ヶ月(DTwP) | 4ヶ月(IPV) | 4ヶ月 | 6歳 | 1ヶ月 | |
| 3回目 | 14歳 | 5ヶ月(DTwP) | 5ヶ月(OPV) | 16ヶ月 | 5ヶ月 | ||
| 4回目 | 18ヶ月(DTwP) | 18ヶ月(OPV) | |||||
| 5回目 | 6歳(DT) | 2歳 (OPV) | |||||
| 6回目 | 16歳(dT) | 7歳 (OPV) |
健診スケジュールは1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1歳及び医者との相談に応じて行われます。健診の内容は時に応じて血液検査、目や耳の検査、身長や体重の測定などがあります。
ミンスク市の私立病院ЛОДЭ Медицинский центр(ロデ・医学センター)の例では、健診1回当り44,000ベラルーシ・ルーブル(約15米$相当)、1年間の包括的なサービスで、 2,043,100ベラルーシ・ルーブル(約681米$相当)の費用は必要です。また、同じく私立のЭкомедсервис (エコメド・サービス)の例では、健診1回当たり32,000ベラルーシ・ルーブル(約11米$相当)、1年間の包括的なサービスは、1,610,000ベラルーシ・ルーブル(約537米$相当)の費用が必要となります。
医師も含め、ほとんどの場合でロシア語のみが通用します。英語で受診出来るような外国系の医療機関はまだありません。邦人が市民救急病院に入院した事例もありますが、あくまで例外的です。現地医療機関の入院、手術等は現状では緊急避難的な場合に限るべきでしょう。専門的な診断・精密検査・予定手術など時間に余裕のある場合は、西欧諸国へ行くか、日本へ帰国することをお薦めします。
所在地:Ул. Толстого, 4 Minsk
電話・ファックス(代表):電話(017)-207-7474 ファックス:(017)-285-0865
Eメールアドレス:info@ems.by
ホームページ:http://ems.by/en/
ミンスク市内で最新の設備を備えているとされる私立の外来を主とするクリニックで、西側の比較的新しい医療機器を揃えています。大使館や国際機関の職員等が時に利用しています。一般内科、外科の他、小児科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科もあります。予約制で事前の連絡が必要です。
所在地Ул. Гикало, 1 Minsk
電話(代表):ミンスク市内 111、それ以外の地域(017)-284-7220
ホームページ:http://www.lode.by/english
上記のエコメドサービスと同様、ミンスク市内で最新の設備を備えている私立の外来を主とするクリニックで、西側の比較的新しい医療機器を揃えています。一般内科、外科の他、産婦人科、歯科もあります。ベラルーシ西部の中心都市ブレストにもクリニックがあります。
所在地:ul.Kizhevatova 58, Minsk
電話・ファックス(代表):電話(017)-277-7421 ファックス:(017)-278-1720
概要:ミンスク市で唯一の救急病院。最近、改修工事がすすみ新しい建物と設備が導入されました。緊急を要する患者はここに運ばれて診断・治療を受けます。救急に必要な科はほとんどあり毎日200人から250人の患者を受け付けています。普通の風邪など緊急性を要しない病気は住んでいる地域毎に決まっている外来専用のポリクリニックがあり、そこで治療を受けます。
所在地:Krasnoarmeyskaya str 10, Minsk
電話・ファックス(代表):電話(017)-227-8225 ファックス:+(017)-227-8442
ホームページ:http://www.vip-clinic.by
概要:以前は大統領を始め政府要人専用の病院でしたが、現在は一般にも利用可能となっています。しかし受診するための年間の契約料が高額であり一部の限られた人しか利用できないようになっています。MRI等の最新の医療機器があり内視鏡下での種々の手技・手術が可能で設備、医師等のレベルは高いと思われます。
在ウクライナ日本国大使館
電話:+380-44-490-5500
ファックス:+380-44-490-5502
医療機関ではロシア語が通じますので,主要言語のロシア語をご参照下さい。